李登輝・元台湾総統--ECFAは香港・マカオ化の一歩、国民投票で阻止し、FTA締結を

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ECFAは、国民投票に必ずかける形にしなければならない。今、反対派が100万人の署名を集める運動をしている。国民投票に至るまで、いくつかの手続きを経る必要があるが、手続きがうまく進めば200万人は集まるとみている。

そもそも、ECFAが何をもたらすかは香港とマカオのケースを見たらわかる。香港にはCEPAというものができたが、見てご覧なさい。主権がなくなって、「一中市場」(一つの中国市場)に入ってしまった。

台湾の主権は誰が持っているというわけではない。歴史的に見ても、戦後、日本は台湾を放棄した。米国も、米国が台湾の主権を持っているとは言わないし、中国にあるとも言わない。結局、台湾の主権の問題は、ここに住む2300万人が握っているより道はない。現状ではね。

こんな状態で中国が何をするかと言えば、アメを台湾の人間に食べさせようとする。台湾の香港化だ。香港化さえすれば、台湾の人民は主権を持っている国がないから、台湾の内部をうまく取り扱って主権を取ってしまう。そうなれば「一中市場」に入り、彼らのわなに入ってしまうわけだ。

ECFAを中国と結ぶくらいなら、台湾はWTO(世界貿易機関)のメンバーなんだから、台湾はFTA(自由貿易協定)をやったほうがいい。国と国の関係でやればすっきりするんだ。

だから、ECFAの合意や成立を延期させたりストップさせたりするには、どうしても人民の力を発揮させなければいけない。だから国民投票という方法でECFAを止めて、やるならFTA方式でやれと、大いに主張しなければならない。

--ECFAが成立して交流が進むと、大陸のものも入ってくる。とはいえ、馬総統は国内産業に打撃を与えないようなことも言っています。

馬英九総統はECFAで経済が良くなるなどと良いことばかり言っているが、ECFAを結べば悪い面が多い。一中市場になると、中国の勝手になってしまう。農産物や伝統産業、中小企業など勝手にやられてしまう。そうなると、台湾はますます失業者が増えることになる。

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