「子どものトラブル」大人が関わるときに重要な事 工藤勇一氏が説くいじめを学びにつなげる支援

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教育現場では、「みんな仲良く」「団結」といった、「1つになること」を強制的に促す言葉が一般的に使われがちだ。ただこれについても工藤さんは疑義を呈する。

工藤勇一さん(写真:リディラバジャーナル編集部提供)

「もともと日本にいじめが多いというのは、団結が好きだからという理由もあります。

この言葉はあらゆる教育場面で言われますが、とても厄介です。大概の協調できる子どもにとってはいいのですが、そうじゃない子にとってはすごく苦痛なものになるのです。

もともとコミュニケーションを取るのが苦手な子、パニックになると手が出てしまう子たちがいます。『みんな仲良く』と言ってしまうと、その子たちは否定されてしまいます。

でも『仲良くするのはとても難しいことなんだよね。仲良くするには誰でも訓練が必要だよ』と言ったら、否定される子はいません。心理的安全性も保たれるんです」

「多数決で決めないこと」

実際に麹町中学では、体育祭の目標に「運動が得意な子も苦手な子も全員を楽しませる」と掲げたところ、「誰も『団結』と言わなくなった」と振り返る。

「運動が得意な子には思いっきり競争ができるシチュエーションを、競争が嫌いな子には楽しめる種目をつくろうということで、みんながいろんなプログラムを考えるようになったんです」

重要なのは「多数決で決めない」ことだ。

「『みんなで決めたことはみんなで守ろうね』というのは、少数派を排除するいじめの論理です。

『みんな仲良く』と教えられている子どもたちは、考え方が違うと仲間外れみたいに感じてしまうので、みんなびくびくしています。

それぞれが違う考え方だということを言える環境作りをすることが、すごく大事です」

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