「規制か緩和か」中国が直面しているジレンマ 成長し続ける「中国デジタル革命」の陰とは
プラットフォーマーの「一人勝ち」
プラットフォーマーの典型的なビジネスモデルは、サービスを向上させてユーザーを拡大し、そのユーザーを囲い込んで需要を確保するエコシステムの構築である。多様なサービスを提供してサービスを向上させるため、プラットフォーマーは自社のプラットフォームに参加するプレイヤーが恩恵を受けられる仕組みを構築してサプライヤーの参加を促している。
こうしたエコシステムにはスケールメリットがあるため、プラットフォームは巨大化し続ける傾向がある。そのため、ある1つのプラットフォームが優位性の確立に成功すれば、「一人勝ち」しやすくなり、これがプラットフォームビジネスの大きな特徴だ。
中国に目を向けると、国有企業と違って、大手プラットフォーマーは激しい競争を勝ち抜いて現在の地位を確立し、中国経済の新たな成長のエンジンとなった。しかし、一方で、プラットフォーマーが巨大になりすぎて「一人勝ち」してしまい、市場独占という弊害を生んでいる。
例えば、EC業界では「二者択一(競合他社のプラットフォームに出店しないよう独占的契約の締結を強要する行為)」の問題が起こった。中国では2019年1月1日に、EC業界のガバナンスを強化し、不正競争や独占的な慣行を規制する「電子商取引法」が施行された。
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