日本人もやりがち!過度な序列重視の落とし穴 都合の悪い情報が上司の耳に入らない根本理由

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「序列第一」が強く根づいている環境では、常識が歪められるような事態が起きても不思議ではない(写真:【IWJ】Image Works Japan/PIXTA)
言葉の使い方を変えることで、自分が率いる潜水艦の評価を最低から最高に引き上げ、ベストセラー『7つの習慣』の著者、コヴィー博士から絶賛された伝説の艦長がこのほど、『LEADER’S LANGUAGE(リーダーズ・ランゲージ) 言葉遣いこそ最強の武器』を上梓した。
あらゆる組織のリーダーに役立つ、伝え方のパラダイム転換を促す本書から、上司に都合の悪い情報が流れない、風通しの悪い組織の問題点を抜粋・編集してお届けする。

上に気を遣う「序列第一」がもたらす問題

「安全第一」を掲げる組織は多いが、本書で紹介した石油プラットフォーム作業員たちのように、人々は、安全よりも序列を重視した「序列第一」の行動をとりがちだ。

『LEADER'S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

恐怖心をみくびってはいけない。「統制と遵守」が強く根づいている環境では、恐怖心によって常識が歪められても不思議ではない。

「疑問を持たず、命じられたとおりに行動せよ。そうしなければ深刻な事態に陥る」と繰り返し徹底して刷り込まれれば、その組織で働く人々は、何をするにも、その基準に合った行動かどうかを確認するようになる。

そして疑問を持つたびに息が詰まりそうになる思いをしていれば、しだいに自ら行動を起こすことなどなくなっていく。

他者の仕事を決める立場にある人は、その人たちと一定の距離を保つ必要がある。つながりが生まれると、生産性が損なわれる恐れがあるからだ。

序列の構造化が細部まで確立し、厳格な規則を設けて、馴れ合いをよしとしない職場環境は数多い。海軍もそのひとつに該当する。規則を設けている目的は、仕事の割り当てや昇進に友情が影響しないようにするためだ。

次ページ垣根を越えてつながるとは、他者を気にかけること
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