日本人を不幸にしている「欲望の無限ループ」 元外資金融マンを救った「マインドフルネス」
経営者の方々も、メンタルが病むのは「仕方がない」「こうなるのは当たり前」と言って済ませてしまったり、いまだに「メンタルが弱いんだ」という言葉も聞こえてきたりします。
MELONでは、健康経営を考えている企業からの引き合いがあり、法人プログラムでメディテーションなどを行っています。とくに大企業や外資系企業は早いですね。研修としてマインドフルネスを学び、それを福利厚生で受けられるようにするというケースもあり、関心はかなり高まっています。
経産省の健康経営度調査の評価項目には、「メンタルヘルス」「マインドフルネス」という言葉が入っています。そこをきちんと見ている企業さんは、すでに導入を考えているようです。
個人の人生にも「パーパス」が必要
ビジネスパーソンの方々には、マインドフルネスがいいということはわかっていても、目の前のタスクに追われて、自分の心になんて関心を持つ余裕がないという方も多いでしょう。
僕自身、メンタルに支障をきたすというきっかけがあり、内観することで方向転換できましたが、それがなければ突っ走っていたと思います。
一度立ち止まるためには、やはり瞑想は非常に有効です。つまりは、自分のことを観察するということです。
いま自分は不安なのか、幸せなのか。その感情をこまかく観察すると、何か理由があるはずです。それは仕事のストレス、お金を貰えなくなることへの不安、人間関係だったりするでしょう。それを毎日、見つめる時間を作ることで、自分をいい方向へと引っ張っていくための選択が見えるようになるのです。
会社としてのパーパスは注目されていますが、個人の人生に当てはめられるパーパスが必要です。「あなたは人生に何を求めているのか」ではなく、「人生はあなたに何を求めているか」という運命的なものを知るということですね。
それが『モンク思考』で見つかるかもしれません。たいそうな教えではなく、こんなことをすればいいんだよという身近な方法がたくさん書かれているのがいいと思います。
中心となっているのはヒンドゥー教の僧侶の思考法ですが、著者は世界各地のよいとされるものを勉強して、おいしいところを「全部乗せ」しています。多くの人が幸せに生きるためのティップスやメソッドが詰まった1冊ですね。
(構成:泉美木蘭)
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