一歩前進「有楽町線延伸」、どんな場所を通るのか 地下鉄が実現してもバスとの兼ね合いが課題
ただ、現状は、東陽町駅前―豊洲駅前間の都バスでの移動は、住吉駅前―東陽町駅前間ほど便利ではない。この間を結んでいるのは、陽12-1~3系統で、3系統合わせて平日朝夕ラッシュ時には1時間4~6本、日中は1時間に2~3本程度の運転だ。利用客層は錦糸町駅前―東陽町駅前と同様だが、新しい町だけに、まだ高齢化はさほど進んでないように見受けられる。
また、東西線と有楽町線は比較的近接しており、木場駅が徒歩圏内にあったり、都バスの運転系統としては門前仲町方面のほうが便利だったりする点が理由として挙げられよう。8号線の途中駅はこの区間にも計画されており、場所は塩浜二丁目の西寄りになりそう。
陽12系統は途中、東京メトロ深川車両基地の北側を通り、東西線の電車も眺められる。沿線は埋め立て地の産業地帯であったが、近年は再開発によりマンションや超高層ビルが林立するようになった。特に豊洲駅付近の、ビジネス・住宅エリアとしての変貌は著しく、東京メトロでは前述のように乗降客増加への対応に追われている。東陽町方面からの新しい旅客流動も期待できそうだ。
8号線の列車はどうなる?
最後に少し気が早いが、8号線の列車がどのような姿になるか想像してみたい。
まず都心へ向かわない分、半蔵門線や有楽町線のような10両編成になるとは考えづらい。6両程度の8号線専用編成が用意され、連絡線で結ばれる構想がある深川車両基地に配置されるか。豊洲における都心方面への直通運転もないだろう。平日朝、すでに有楽町線は3分間隔で豊洲に発着している。そこへ割り込ませるのは難しい。
一方、住吉から押上方面のダイヤは多少の余裕があるため、豊洲―押上間の半蔵門線直通は実現するかもしれない。住吉駅は前述のような構造なので、ここで折り返すとすれば、到着した線からそのまま戻るしかない。錦糸町、押上まで直通できれば、乗り換えの不便は解決する。
いずれにしろ、着工してから開業までは10年程度が見込まれている。コロナ禍が突然であったように、その間の社会情勢の変化によって、どのような姿で実現するかは、まだまだ十分には見通せない。
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