「チバニアン」の時代、地球はどんな姿だったのか 祖先である現生人類が生まれたその時代

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チバニアン・地球磁場逆転地層(写真:時事)
新たな地質年代として認定された「チバニアン」の時代(約77万4000年前から12万9000年前)に、地球はどのような状態だったのでしょうか。チバニアンを国際地質科学連合に申請したチームを率いた茨城大学の岡田誠教授が上梓した『チバニアン誕生 方位磁針のN極が南をさす時代へ』より一部抜粋・再構成してお届けします。

地球の年齢は46億歳。人間の歴史と同じように、地球にも年表がある。国際学会が発表している国際年代層序表に、地球の誕生から現在までの歴史が示されている。これを見ると、チバニアンがいかに新しい、若い年代か実感することができる。

ここで46億年間の地球の歴史を1年のカレンダーにたとえてみよう。国際年代層序表のはじめの40億年間は、太古代や原生代としてまとめられている。この年代の地層は古い大陸の上で観察することができるが、じつは化石が見つからないのだ。

最初の生物化石は、原生代最後の年代であるエディアカラン期で見つかった。これが6億3500万年前。1年カレンダーだと11月11日14時44分ごろだ。

(イラスト:Ⓒ本多翔/ポプラ社)

みんなが好きな恐竜が隕石の衝突で絶滅したのは6600万年前。ずいぶん昔のことに思えるが、1年カレンダーだと年の瀬もおしせまった12月26日18時18分47秒。そして77万4000年前のチバニアンのはじまりは、なんと年明けまで1時間半にせまった大晦日の22時31分34秒だ。

地質年代の境目はどれほどある?

国際年代層序表(『チバニアン誕生 方位磁針のN極が南をさす時代へ』の紙面を一部抜粋)

こんどは表にある年代名を見てみよう。どの年代にも、その年代のことをもっともよく調べることができる基準となる地層が決められ、その地層がある場所の地名から、その年代名称がつけられている。

カンブリア紀など古い年代の名称は、中国の地名がもとになったものが多い。新第三紀や第四紀など、新しい年代の名はイタリアの地名が多く、そのほかもヨーロッパの地名がほとんどだ。

表の年代区分の境目にある金色の画鋲みたいなマークは、境目の基準であるGSSPが決まっているところを示す。国際層序委員会という学会が、世界中の科学者の研究にもとづいて認定している。

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