高額商品だけじゃない中国人の"爆発消費" 買い物欲が旺盛な観光客が日本を下支え?
スポーツ用品大手、ゼビオの子会社で関東中心に大型店を展開するヴィクトリアでは、6月の免税売上高が前年同月比で1・5倍に増えた。牽引役は中国人をはじめとするアジアからの観光客だ。ゴルフ店には中国の富裕層が訪れ、高級クラブやボールを複数購入していくという。一般のスポーツ用品店ではキャンプ用品やウエア類などが売れ筋で、「バドミントンセットを一度に数セット購入するなど、まとめ買いも多い」(経営企画室)。
中国には日本のような総合スポーツ用品店がなく、小売店での取扱商品も少ないため、日本のスポーツ用品店での買い物が人気を集めているようだ。新宿など観光客が多い街の店には、中国語が話せるスタッフを配置している。
免税制度緩和が追い風
さらに10月からは規制緩和の追い風が吹く。従来1店舗当たり最低購入額が1万円だったのが5000円に緩和され、免税対象品目が拡大される。銀座の老舗百貨店である松屋はこれに合わせ、従来一つだった免税カウンターを地下の食品売り場にも設置し、化粧品や食品などの拡販を狙う。「銀座エリアは大型店舗が少なく、まだまだ海外のお客様の取りこぼしがある。20年の東京五輪に向け、免税売上比率を早期に10%(直近は6~7%)にしていきたい」(秋田正紀社長)と意気込む。
隣接する三越銀座店は新たな一手として、日本空港ビルデング、成田空港と組み、輸入関税や酒税などが免除される空港型免税店を15年度にも設置する。消費増税に伴う国内需要の停滞が懸念される中、小売り各社にとって、観光客需要の取り込みがより重要になることは間違いない。
(「週刊東洋経済」8月9・16日号(4日発売)「核心リポート01」を転載)
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