高額商品だけじゃない中国人の"爆発消費" 買い物欲が旺盛な観光客が日本を下支え?

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国内で3番目の売上高を誇る渋谷センター街店では、「印象ではお客様の3~4割が外国人。増税後の大きな下支えになっている」(大藤和仁店長)。観光客は家族などへのお土産用に6~7足まとめ買いすることが多いという。店内でニューバランスの新作を探していた上海出身の劉寧さん(27)は、「中国はニセモノだらけ。日本のお店は限定商品や品ぞろえが多いのが魅力」と言う。ABCマートは韓国や台湾など現地のガイドブックにも掲載されており、事前に調べた商品の画像をスマートフォンで示し、指名買いする人も少なくない。

 一度に50万円買う客も

一方、スニーカーには特殊な需要もあるようだ。昨年夏、都内のある靴店で、中国人とおぼしき客が人気のスニーカーの在庫を一度に棚ごと50万円分も買い上げた。狙いはアディダスやナイキなどグローバルブランドの商品。店舗の関係者は、「アジアでもスニーカーブームが起きている。一部の商品は流通が絞られており、中国に持ち込むと倍近い値段で転売できるようだ」と明かす。

マツモトキヨシでは、一部店舗で銀聯カードを導入したことで観光客間で知名度が上がった

また、中国人の観光スポットとして有名なのが、ドラッグストア最大手のマツモトキヨシだ。数年前からアジア系の観光客が増加。08年から一部店舗で銀聯カードを導入したことで、観光客の間で知名度が一気に高まった。「具体的な数字はないが、中国をはじめ、タイや台湾からの観光客が昨年と比べてかなり増えている」(同社)。銀座や秋葉原などの繁華街の店舗では、中国語の通訳を配置。化粧品の人気が高く、蒸気で目元を温める花王の「めぐりズム」など、日本でしか買えないアイテムもよく売れる。スニーカーと同様、お目当て商品だけを買う傾向が強いという。

マツキヨでは消費増税前の駆け込み需要で今年3月の既存店売上高が前年同月比3割増とハネ上がった。反動で足元の既存店はマイナスだが、観光客が多い店舗はほかの店舗に比べて減少幅が小さい。

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