高額商品だけじゃない中国人の"爆発消費" 買い物欲が旺盛な観光客が日本を下支え?

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外国人観光客が多く訪れるABCマート渋谷センター街店。閉店直前の来客が多いという(撮影:今井康一)

7月末、35度を超す猛暑だったのにもかかわらず、三越銀座店の婦人服売り場では毛皮のムートンコートが売られていた。これは全館での催事「ぎんざみやげ」の一環で、今年から外国人観光客向けにそろえた専用商品だ。昨年の同催事では免税売上高が前年比3倍に拡大。今年は外国人観光客専用のカタログを作成した。

戻ってきた中国人観光客

消費増税後の反動から、三越伊勢丹ホールディングスの全百貨店売上高(4~6月)が前年同期比5・6%減と落ち込む中、外国人観光客盛況の追い風が吹く銀座店だけが、2・3%増とプラスを維持している。海外からの花見客もあり、同店の4月の免税売上比率は10・6%(前年同月は5・1%)と、初めて2ケタを超えた。「以前はバッグや腕時計など、高級ブランドの商品が買い上げの中心だったが、足元では婦人服や化粧品、ベビー服などへも裾野が広がっている」(同社)。

ビザの緩和や円安、航空便の新規就航・増便もあり、近年は海外からの観光客が増加。1~6月の旅客数は626万人と過去最高を記録した。このうち約8割がアジアからで、中でも目立つのが中国人の増加だ。2012年の尖閣問題で一度落ち込んだものの、その後は急回復。6月は約17万人と当月ベースで最も多かった。

こうした海外からの観光客が飛びつくのは高額品だけではない。好例が靴小売店最大手のABCマートだ。同社は第1四半期(3~5月)の既存店売上高が前年同期比約12%増、営業利益は3割増と、消費増税をものともしない。女性のスニーカーブームに加え、「訪日外国人客の多い都心部の店舗が高い売り上げをたたき出しているのが大きい」(小島穣取締役)と語る。

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