日本基準の「ローカルハラル認証」を作ろう 日本に観光に来るイスラム教徒を10倍超にする法

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日本ではイスラム教というと、ともすればキリスト教よりも少数派なのではないかといったイメージがつきまとう。だが、もしそうしたイメージは、世界的に見れば、大きな間違いだ。イスラム教徒の数は、世界人口の約4分の1を占める。その数は16億人ともいわれ、2030年には20億人を突破するとの予測もある。
 昨年、日本を訪れた外国人観光客は、初めて年間1000万人を突破した。今後は2020年に向けて、2500万人に増やし観光立国化を目指す構えだ。当然、イスラム圏からの観光客を取り込むことは、重要なポイントになる。昨年は、イスラム教徒(ムスリム)が多い、マレーシアやインドネシアからの観光客がそれぞれ17.7万人(前年比約36%増)、13.7万人(同約35%増)となるなど、機運は盛り上がりつつある。
 ムスリムの観光客を増やすためのポイントは何か。あるいは、イスラム圏でビジネスをする際に注意することは?これらの一つのキーワードが「ハラル」(ハラール)だ。では「ハラル」とは何だろうか?このコラムでは、イスラム圏の人々とのビジネスをスムーズにするためのカギであるハラルについて、マレーシア・ハラル・コーポレーション代表のアクマル・アブ・ハッサン氏に話を聞いた。

海外のムスリムを、もっと日本へ

――イスラム市場の魅力とは?

イスラム教徒のことを「ムスリム」と言います。現在、ムスリムは世界人口の4分の1を占めると言われ、その数はどんどん増えています。2010年時点のムスリム人口は推定で約16億人ですが、2030年には約22億人、世界人口の約26%を占める、という統計もあります。

アクマル アブ ハッサン マレーシア ハラル コーポレーション株式会社(MHC) 代表取締役    1970 年マレーシア生まれ。1990 年マレーシアマラヤ大学を卒業後、群馬大学工学部に国費留学生として来日。1995 年新卒で東京三菱銀行(現・東京三菱 UFJ銀行)に入行、1998 年退社後帰国、マレーシア国際貿易産業省へ入省。2005 年マレーシア貿易開発公社 大阪事務所所長補佐として再来日。ジョムマレーシアジャパン社長を経て 、2010 年 9 月より現職。2012 年ローカルハラル考案、2013年ローカルハラルを商標登録。ハラルをキーワードに、イスラムと日本をつなぐ、イスラム教徒によるハラルコンサルタントのパイオニア。

 

人口が増えるということは、経済的に成長する可能性が高いということでもあります。

事実、中国経済やインド経済は、世界最大級の人口を背景にして、大きく経済成長を遂げてきました。

対して、日本はどうでしょうか。今の日本は「超高齢社会」に突入しつつあります。少子化も年々深刻化しており、このままだと人口減少が加速化するのは間違いありません。2050年には人口が約9500万人まで減少するとの推計もありますよね。

人口減少対策で手を打つ必要があるのはもちろんですが、日本の経済成長ということを考えると、もうひとつ大切なことがあります。

それは、人口が増加し、経済的にも成長余地の高い国や地域の力を、日本に呼び込むことです。

そのひとつがムスリムの経済です。日本よりも平均年齢が若く、高成長が期待できるムスリムの経済パワーを使って、日本経済も活性化できるはずです。

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