日本基準の「ローカルハラル認証」を作ろう 日本に観光に来るイスラム教徒を10倍超にする法

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もし、日本全体にハラル認証が広まれば、マレーシアがハラル認証をうまく活用することで、多くのイスラム圏からの観光で賑わっているように、世界中のムスリムが観光目的で日本を訪れるようになるでしょう。

ハラル認証を取得した和牛をお土産に、マハティール元首相と。「ルックイースト政策」で日本に国費留学したアクマル氏の目標は、昔も今も日本とイスラムの架け橋になることだ

2020年には東京オリンピックを控えていますし、その後も日本が観光立国を目指すのであれば、イスラム圏を無視しては成り立ちえません。ハラル認証を上手に利用することが、日本のビジネス拡大にもつながっていくのです。

――ハラルは日本をどう変えるのでしょうか?

こんな話があります。私は、母国であるマレーシアの「ルックイースト政策」に沿って、日本に留学(群馬大学)、その後縁あって、日本人の伴侶を得ることができ、日本はかけがえのない第2の故郷となりました。

一方で、実はマレーシアから来日した留学生が、学校を卒業してからも日本に留まるケースは非常に少ないのです。なぜだと思いますか。

それは、日本がムスリムにとっては、まだ住みにくいからです。といっても、どちらかというと、人間関係が難しいとか、働いても稼げないとかいう話ではないのです。実は、どこで「ハラム」なものを口にしてしまうか、わからないからです。

「ハラム」というのは、ハラルの反対語ですね。要は身体に悪いもの、ムスリムとして手を出してはいけないもの、という意味です。私自身、昔マレーシアから政府要人などが来日した時、夜、食事に連れていくところで非常に困ったという経験があります。

でも、これからの日本は、ムスリムの存在を、無視できなくなるはずです。今までは、イスラム教を知ってはいても、単語として記憶しているだけで、その真意までは理解できなかったと思います。それを、ハラルという言葉を通じて、イスラム教の一端を理解するきっかけにしていただきたいのです。

ハラルは日本人とイスラム人との間のコミュニケーション・ツールになるのでは、と思っています。イスラム教という、これまでの日本人には最も遠かった世界の一つと新たな関係を構築し、日本経済にとっても大いにプラスの効果をもたらす可能性があるのです。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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