(第18回)中国の工業化による日本のシェアの低下

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 アメリカの輸入に占める日本の比率をみると、このことがはっきりとわかる(下図参照)。日本のシェアは、86年にピークに達したあと、ほぼ一貫して下落している。

その半面で、中国の比重上昇が顕著だ。日本と中国の比率の合計はほぼ20%なので、中国が増えた分だけ日本のシェアが減ったことになる(図には示していないが、韓国、台湾、シンガポール、香港の合計シェアは、90年代終わりの約8%から徐々に低下している)。

日本国内への製品輸入の増加

また、日本への製品輸入も増えた。これも新興国からの輸入によるものだ。この状況は、日本の輸入の品目別構成比の変化でみることができる。高度成長期の日本は、典型的な加工貿易を行っていた。これは、海外から原材料を輸入し、日本で加工して製造業の製品として輸出するという活動だ。

ところが、90年代になってから原油や原材料の比率が下がり、その半面で製品の比率が上昇したのである。

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