国土交通省が推す「PFI」の活用、現場に早くも漂う疲労感

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既存の法律では、道路や下水道などの管理者は国や地方自治体と定められ、民間が管理することはできない。PFIの対象を広げるには、管理者に民間企業を書き加える必要があるが、国交省にどこまでその覚悟があるかが見えない。

今のところ、来年の通常国会をメドに法改正案は提出される予定だ。個別法を改正するのか、それとも民間企業が管理者になれるよう、PFI法で包括的に網をかけるのか。各省庁の権限に触れる微妙なテーマだけに、「まだ議論が分かれている」(長安・国交省政務官)という。

一方で、地方自治体や民間業者の間には、すでに“PFI疲れ”とでも言うべき疲労感が漂っている。

「地元にカネが落ちない」 儲からなさに企業も敬遠

たとえば、横浜市では02年の仮設店舗整備事業を皮切りに、学校整備や浄水場の再整備など、これまで8事業をPFIで実施してきた。VFMは6~40%。民間企業に資金調達を任せることで、「事業費が一括払いでなく、平準払いにできることは市財政にとっても大きなメリット」(同市)だと評価する。

だが、PFIがなじむのは比較的大規模な事業で、発注は一括となり、おのずと東京の大手企業が受注しがちになる。同市がこれまで実施した8事業は総計37社が受注(コンソーシアム含む)したが、このうち市内にある中小企業はわずか数社にすぎない。

ありていに言うと、PFI方式では地元にカネが落ちないため、市議会では、地域活性化の名の下に地元業者への分割発注を求める声が相次いでいるのだという。

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