国土交通省が推す「PFI」の活用、現場に早くも漂う疲労感
国内PFIで日本企業にノウハウを身に付けてもらい、その後アジアだけで向こう10年間で8兆ドルと予測されるインフラ整備ニーズを取り込んでいく。PFIは、深刻化する財政と低成長から抜け出せない日本経済の、新たな切り札というわけだ。
これらの動きについて、「どこまで中身のあるものが実現できるか、まだわからないが、これまでの経緯からすると画期的な内容」(経済団体連合会)と注目も集まっている。
PFIはPrivate Finance Initiativeの略。下図のように、従来型の公共事業では民間企業が担うのは設計や建設が中心なのに対し、PFIでは資金調達から運営、維持管理までを民間が受け持つ。
日本では1999年に法律が制定され、民間の資金や知恵を活用するプロジェクトが本格的に始まっている。
PFI推進委員会のまとめによると、09年12月までにPFI方式で実施されたプロジェクトは234件、3兆1135億円(公共負担額の決定ベース)。PFIを採用した結果、従来型の公共事業で整備した場合と比べて、6596億円のVFM(Value For Money、支払いに対するサービスの価値。高いほどよい)が出たという。
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