燃費35.8km/L「アクア」10年ぶり全面改良の中身 驚異の月販目標9800台に見せるトヨタの自信

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またトヨタは、カーボンニュートラル達成に向けての役割を、「真にカーボンニュートラルに貢献できる幅広い選択肢を、手に届く価格で提供することがコンパクトカーにとっての本当の道筋」と定義し、アクアに新型電池を採用したことで、ハイブリッドシステムをより進化させたとしている。

HEVシステム用バッテリーには、2種類が採用された。エントリーグレードとなる「B」には、ヤリスと同じリチウムイオン電池が、上級グレードとなる「X」「G」「Z」には、新開発の「バイポーラ型ニッケル水素電池」が搭載されている。

この新たなバッテリーは、従来型のニッケル水素電池と比べて集電体などの部品点数が少ないため、コンパクト化できる点が特徴とされ、従来型電池と同等サイズの場合、より多くのセルを搭載することが可能となる。

ニッケル水素電池 「バイポーラ型」と「従来型」の構造比較(写真:トヨタ自動車)

また、通電面積が広くシンプルな構造であることにより、電池内の抵抗が低減することで、大電流が一気に流れるようになり、出力が向上。新型アクアに搭載されたバイポーラ型ニッケル水素電池は、従来型アクアに搭載されているニッケル水素電池に比べ、約2倍の高出力を実現したと説明された。

これにより新型アクアは、エンジンを停止してのEV走行可能な速度域を先代モデルよりも大幅に拡大。街中の多くのシーンでエンジンを使わず、電気だけで走行できるようになった。さらにアクア初となる4WDの「E-Four」もラインナップ。積雪地に住むユーザーには嬉しいニュースだろう。

燃費は、高効率の1.5リッターダイナミックフォースエンジンとアクア用に最適化されたHEVシステムにより、コンパクトカークラストップレベルとなる35.8km/L(WLTCモード)を達成している。

先代と同等サイズのボディは上質感を重視

新型アクアは、ヤリスと同じTNGA GA-Bプラットフォームを採用し、ボディサイズは、全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mmと、全長と全幅を変えず全高を30mmアップ。全長はそのまま、ホイールベースを50mm延長したことで、リアシートの居住空間や荷室空間が広げられている。

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