「不幸な日本人」と「幸せな日本人」の生き方の差 樹木希林はなぜ乳がんさえも肯定できたのか?

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3.今の自分を肯定する

故・樹木希林さんと対談したり、交流があった。お家にもお訪ねした。彼女が乳がんになった時、ぼくに「乳がんになってよかったのよ」と言った。幸福感の高い人は自分自身や現状を肯定できる人だ。

『ミッドライフ・クライシス』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

どんなに厳しい現状でも肯定することで、プラスの側面が見えてくる。自分の人生の価値を自分で握り続けることは幸福感の基本。そのためには自分の生き方や生きてきた歴史を肯定することが大事と言える

4.睡眠が大事

睡眠は日々の疲れを解消し、健康を維持するうえでは大切だ。そしてストレスを溜め込まず、幸福感を長くキープしていくために、よい睡眠は欠かせない。朝起きたら太陽の光を浴びて、体内時計をリセットしよう。太陽に当たると、セロトニンが分泌される。

夕方になり太陽の光が弱くなると、メラトニンという睡眠誘導物質が出てくる。睡眠時間が5時間を下回る生活が続くと、脳卒中や心臓病になる危険性が約2倍になるという報告がある。できるだけ朝起きて、太陽に当たり、いい睡眠をとることが大切だ。

大事なのは「4つの習慣」

ここでまとめておこう。

1.感動体験やリズミカルな運動などによってセロトニンを増やすこと。
2.小さなことでもいいので、自分の達成感を大事にすること。
3.自分という存在を前向きに捉え直すこと。
4.夜しっかり寝て、朝きちんと起きること。

この4つのことを意識することでセロトニンを増やし、ミッドライフ・クライシスを乗り越えていって欲しい。

「自分は幸せではない」とただ嘆いても、幸せは永遠にやってこない。ほんの少しの工夫と気持ちの切り替えで、幸せを呼び寄せることができるのだから、人生ってやっぱり楽しい。

文豪・トルストイにこんな言葉がある。

「幸福は、己れ自ら作るものであって、それ以外の幸福はない」

鎌田 實 医者・作家

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かまた みのる / Minoru Kamata

1948年東京生まれ。医師・作家。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任、以来40年以上にわたって地域医療に携わる。現在、諏訪中央病院名誉院長。日本チェルノブイリ連帯基金理事長、日本・イラク・メディカルネット代表として、被災地支援にも精力的に取り組んでいる。2006年、読売国際協力賞、 2011年、日本放送協会放送文化賞を受賞。ベストセラー『がんばらない』(集英社)をはじめ著書多数。近著に『相手の身になる練習』(小学館)、『70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)などがある。

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