自動車整備士版「Uber」が旧弊から見いだす勝機 整備ベンチャーからみた業界に横たわる課題

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同時に、ユーザー側の問題も解決していく。ユーザーは整備のために車をディーラーなどに持ち込まないといけないし、予約がなかなか取れない。(専門性が高く)相見積もりを取って整備料金の妥当性を確認するにもハードルが非常に高い。不満を感じながらもあきらめている人が多いと思う。私もそうした不満を感じて、サービスの立ち上げに繋がった。

さがわ・ゆう/慶應義塾大学卒。2009年に三井物産入社。自動車部品や資源関係を担当し、アフリカ駐在を経験。2019年にSeibiiを創業。

Seibiiでは、ドライブレコーダーの取り付けや冬用タイヤへの履き替え、バッテリーといった消耗品の交換や修理といったことを、整備士がお客さんの自宅に行って行う。

――Uberなどに似た形ですね。人の命に関わる車の整備を扱ううえで気をつけていることはありますか。

単なるマッチングにはしたくない。あくまでもお客さんには僕たちのブランドでサービスを提供している。整備士の登録時には整備士資格、運転免許証(車で出張して整備する必要があるため)はもちろん、出張に使う車の車検証も提出してもらっている。登録前に面接も行っており、半分くらいの方はお断りをしている。お客さんと接する以上、技術はもちろん人柄も大切だ。面接では接客ができるかどうかについても見ている。

整備士1000人体制を目指す

何かあったときの責任もすべて当社が負っている。作業ミスがあった際の再整備費用はSeibiiで負担しているし、何かあったときのために損害賠償についての保険にも加入している。修理などに使用する部品も一括で仕入れて(整備士へ)提供している。全国の部品の卸売り会社と付き合いがあるので、ほとんどの場合即日対応が可能になっている。

――今後の展開は。

まずは、Seibiiに登録している整備士1000人体制を目指す。さらに、ディーラーでの整備が回っていない現状を考えると、工場で行う必要がある車検などにも対応できるようにしていきたい

自動車整備では相見積もりを取るなど、業者を比較するハードルが高く、不満を感じながらもディーラーに整備を頼んでいる人も多い。そこで、お客さんと町の整備工場などの間にうまく両者を繋ぐプラットフォームが入れば、新車販売と自動車整備の分業ができていくとみている。車検などは出張ではできないので、整備工場と利用者を繋ぐようなプラットフォームの提供もいずれはやりたい。

さらに、CASE(コネクティッド・自動運転・サービス・電動化)などで車が高度化する中、町の整備工場の中には最新技術にキャッチアップが難しいところも出てきている。そうした課題に対応するスキルセットもSeibiiで一括して整備工場に提供できればと考えている。

中野 大樹 東洋経済 記者

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なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

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