増える自殺や孤独死「事故物件」その後どうなる? 問い合わせが殺到している事故物件買取業者
大阪府守口市に本社を置く、事故物件買取センターあきんど(以下、あきんど)は、全国の事故物件を買い取る事業を2016年7月に立ち上げた。
昨年ホームページをリニューアルしたそうだ。その影響もあり全国から問い合わせが急増していて、今夏、東日本の拠点として東京に事務所を構えることになった。メディアにも数多く取り上げられ、世の中に必要とされていることが伺える。
あきんどは、問い合わせがあれば全国各地の現地に赴き、査定を行っている。不動産事業者や個人など、さまざまな人たちから問い合わせがあり、その数は月に100件を超えるそうだ。そして、年間160軒以上の物件を買い取っているという。同じような取り扱い業者が増えるなか、この数は日本一ではないかと清田さんはいう。
きっかけは、困っている友人を助けたかった
あきんどは、不動産買取再販を行う「なにわ工務店」のグループ会社である。なにわ工務店は買取再販業者なので、買い取りや再販売のノウハウがあり、リフォームに強い母体があるわけだが、なぜ“事故物件”に特化した買取会社を興したのか。それは、「どこの不動産屋さんにも断られてどうしようもない。助けてほしい」という、あきんど代表、岩崎恵子さんの友人からの依頼がきっかけだったそうだ。
その依頼内容は、親が自宅で亡くなり事故物件となってしまった住宅を手放したいけれど、どこの不動産会社にも断られているとのこと。困りはてた友人に相談された岩崎さん。そのとき、解決策を見いだすなかで、このようなケースは今後増えるだろうと考えたという。
事故物件は、イメージダウンを危惧し取り扱いを避ける会社が多く、地場の不動産会社などでは、噂が早くに回ってしまいその後の取り扱いに苦労するという。買取再販業者としての経験は、多くの人たちを助けられるはずだと感じ、事故物件専門の買取会社をつくったという。そして5年が経ち、現在は全国からあきんどへ問い合わせが後を絶たない。