人類の幸福を創造する破壊的イノベーション

論理的デザイン思考でビジネスと人生が変わる

こうして見ると、破壊的イノベーションとは、「他者の幸せな人生をデザインすること」にほかならず、自分の人生をデザインすることとは、その対象が「自分か他者かの違い」にすぎないことに気づくだろう。

少し厳しい言い方をすると、「自分の幸せをデザインすることができない人に、他者の幸せをデザインすることなどできない。すなわち、破壊的イノベーションは起こせない」ということだ。

その理由は、デザイン思考は「共感」から始まる(詳しくは本書を参照)が、他者の潜在願望を共感によって見つけるほうが、自分の潜在願望に気づくより圧倒的に難しいからだ。

誰もが創造的で幸せな人生を送ってほしい

私が本書を記した目的は、上述のことに加え、大きく言えば、「誰もが創造的で幸せな人生を送ってほしいから」である。

世の中に「何か新しくて価値のあるもの」を自分の手で生み出し、人々が喜んでくれたとき、その光景はほかでは代えがたい幸せを創造者にもたらす。それは金銭的なものを超えた何か、「世の中に生まれてきた自分の存在価値を自己承認できる幸せ」のようなものかもしれない。

実際にサービスを創ったことのある人であれば納得できるだろう。創造力と幸福度の関係についての研究においても、その高い相関は示されている。

しかし、そのような幸せを仕事や日常生活で実感できている人は少数だと思われる。しかも、世の中の多くの人は「創造力は生まれつきの才能で決まっている」と勘違いしている。

実は、さまざまな研究にもあるように、創造力は後天的に身につけることができる、日々のトレーニングの賜物である。

もちろん、才能の要素がゼロとは言わない。イメージとしては、「走るのが速い人」に近い。生まれつき運動神経がよく才能あふれる人は、ほかの普通の人より走るのが速いかもしれない。だが陸上部で走り方も含め、特訓を積んだ普通の人はもっと速いと言えば、イメージが湧くだろう。

本書は、創造力を高めるという目的において、上述の「走り方」を書いたものである。我流のフォームで1万回走り込むより、研究し尽くされた「走り方」を知ったうえで1000回走り込んだほうがきっと早くなる。

本書では、創造力を最速で身につけるアプローチを公にしていく。これらの多くは、誰もがデザイン思考の考え方を人生で、またビジネスの現場でも再現できるよう、私が独自に開発したものである。

これらのメソッドを繰り返し練習することで新たな考え方を身につけ、誰もが創造的で幸せな人生を送れるようになることを願っている。

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