瀬戸康史語る仕事「1人でやらない、嘘をつかない」 自己開示が苦手だった彼が心を開いたワケ
そうやってちょっと謙遜したように照れ臭がるところにも、嘘をつかないことを大切にしている瀬戸さんの人柄が表れている。
比較をやめて見つけた“仕事とのいい関係”
2005年に芸能界デビューを果たしてから、役者の道を極めてきた。「ここまで仕事を辞めずに続けてこられたのは、焦らなかったことが大きい」と瀬戸さんは言う。
どんなことにもそれぞれのタイミングがあって、そこは運任せな部分もあるじゃないですか。自分でどうにもならないことを気にするのをやめようと決めたら、働くのも生きるのも、すごく楽になりました。
脳内を占めていた他人との比較。それを取り除いてみたら、より本質的なもので空いたスペースを埋められるようになった。
今の仕事のペースは自分にとってすごく理想的なんですよね。いい作品が舞台であれば舞台を続けてやるのもいいし、それがドラマならドラマをやるのもいい。そうやって今の自分のままこれからもやっていけたらいいなと思っています。
そう微笑む瀬戸さんの姿から感じたのは、肩の力を抜くことの大切さだった。若いときほど周囲に壁をつくりがちだし、人と何かを比べがち。だけど、そんな警戒心や虚栄心を捨てたら、何より自分が生きやすくなる。
そうやって「今の自分がちょうどいい」と思える場所を見つけることが、長く健やかに仕事を楽しむ秘訣なのかもしれない。
取材・文/横川良明 撮影/洞澤 佐智子(CROSSOVER)
スタイリング/小林洋治郎 (Yolken) 衣装協力/VIKTOR&ROLF
ヘアメイク/須賀 元子 (星野事務所)
1988年生まれ。福岡県出身。2005年デビュー。以来、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近年の主な出演作に、ドラマでは『デジタル・タトゥー』、『ルパンの娘』シリーズ、『私の家政夫ナギサさん』、映画では『事故物件 恐い間取り』、舞台では『ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜 (仮)』、『23階の笑い』がある。7月よりオリジナルミュージカル『日本の歴史』に出演、10月15日には劇場版『ルパンの娘』が公開、12月には主演舞台『彼女を笑う人がいても』(仮題)が控えている
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