躍進を遂げる韓国から日本が学ぶべきこと
日本が後ろを振り返れば、GDP(国内総生産)の額でも世界の輸出市場でも、韓国が猛烈な勢いで追いかけてくる姿が見えるだろう。もし予想が正しければ、2011年までに購買力平価で換算した韓国の1人当たり実質GDPは日本の88%に達し、10年代中頃までに日本を追い越すだろう。
これは日本のイメージに打撃を与えるかもしれないが、日本経済にとってはよい面もある。
まず、成長を遂げる韓国は日本にとってよい輸出市場になる。日本の韓国向け輸出額はEU向けのほぼ6割に上る。また、韓国は日本の消費者に低価格の製品を供給することもできる。たとえば、韓国のラッキー金星は日本市場で低価格の洗濯機の販売を計画している。
だが同時に韓国企業は日本企業にとって手ごわい競争相手になっており、今後、世界の輸出市場で日本に戦いを挑んでくるだろう。サムスン電子はすでに半導体市場でインテルに次ぐ第2位のシェアを確保している。インテルのシェア14%に対して、サムスンは8%。東芝は第3位で、シェアは5%である。
10年前、現代自動車は世界11位の自動車メーカーにすぎなかった。しかし、傘下の起亜自動車(株式の39%を保有)を合計すると、09年の世界シェアは、ホンダとフォードを追い越し、トヨタ自動車、GM、フォルクスワーゲンに次ぐ第4位にまで躍進した。アメリカの乗用車市場では、日産の11%、ホンダの11・9%に対して現代・起亜は合計で9・2%のシェアを有する。
自由貿易協定でも韓国は日本より先行
自動車と半導体は氷山の一角にすぎない。産業構造の高度化に伴って、韓国企業は付加価値の高い製品分野でも競争力を強めてきている。その好例がアメリカ市場における日韓の競争である。