躍進を遂げる韓国から日本が学ぶべきこと

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 他の先進国に比べて、日韓両国の企業は輸出を比較的少数の製品に集中している。米商務省の5ケタの産業分類区分を使って日韓の対米輸出を150品目に分類すると、その傾向が浮き彫りになる。乗用車輸出の対米総輸出に占める割合は、日本が18%、韓国は15%。輸出品目の上位10製品が日本の対米輸出の60%を占めているのに対して、韓国は61%である。日韓の対米輸出は32品目でほぼ9割を占めている。

そして、08年の日本の対米輸出上位32品目のうち18品目が、韓国の上位32品目と重なっている。この18品目が対米輸出総額に占める割合は、日本が68%、韓国が約50%に上る。18品目の中には自動車と自動車部品、半導体以外に工作機械、さまざまなプラスチック素材、通信機器、発電機などが含まれている。

これらの18品目を合計した韓国企業の対米輸出額は、すでに日本企業の25%に達している。乗用車を除く17品目に限れば、その比率は31%に上昇する。これは、日本企業の販売量と価格設定力に大きなプレッシャーを与える規模である。

オバマ政権は中間選挙後に韓国との自由貿易協定(FTA)を修正して、議会に承認を求める意向だ。議会の承認を得るのに時間はかかるだろうが、最終的に議会は承認するだろう。

協定が承認されれば、日本企業にどのような影響が及ぶのだろうか。結論を言えば、影響はほとんどないだろう。アメリカの乗用車に対する輸入関税は2・5%と低く、その程度の関税が廃止されても、円・ウォンの為替相場のわずかな変動ですぐ相殺されてしまう。

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