アウディが2026年までに「新車をEV化する」真意

「技術による先進」として電動化を決断した

アウディのEV生産ライン(写真:Audi Japan)

e-tronやクワトロのように技術に対し、固有の名称を与えることは他のメーカーではあまり例を見ない。スバルの運転支援技術であるアイサイトは、同様の戦略といえ、車種名のインプレッサとかレヴォーグ以上に、アイサイト装着車がほしいとの気持ちを消費者に起こさせた。

アウディは、そうした視点を1980年のクワトロ誕生から持っており、e-tronのほかにも、アルミ車体に通じる軽量化技術をウルトラ(ウルトラ・ライトウェイト=超軽量)、情報通信技術にコネクト(コネクティビティ=つながる)と名称を与え、ハイビームの自動配光によって対向車や前走車の運転者を幻惑させないヘッドライトをマトリックス(生み出す機能)と名付けた。これらの名称をル・マン24時間レースに参戦するレーシングカーにも利用し、広報活動につなげた。

クワトロ誕生から40年を超えて続けられる技術に対するブランディングにより、「技術による先進」という企業姿勢はより強調され、e-tron GTでは消費者にポルシェと比較する行動を起こさせることにつなげた。

時代が求めるEVを提供できるのか?

EV化は、エンジン車時代に比べクルマの個性を区別しにくくするとの声がある。しかし、電気制御で走り方を変えられるEVは、狙いが明確であればいかようにも個性を発揮させることができる。

EVへの一本化へ向かうなかで、プラグインハイブリッド車(PHEV)の取り扱いはまだ結論の出ていない側面もあるようだ。しかし、EVを基本としたうえで、NSU時代に手掛けたロータリーエンジンを、レンジエクステンダー(走行距離延長)用の発電に用いることも考えられる。そうした実験車をアウディは過去に公開し、私は試乗した。マツダも、この秋に発売するMX-30のEVに設定する予定だ。

時代は、EVを求めている。世界の自動車メーカーは改めてゼロスタートの競争をこれからすることになる。アウディの決意は、それをいっそう明確にするものといえる。

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