東証1部→プライム「517社脱落危機」の衝撃試算

タイムリミットわずか、7月9日に第1回判定結果

(デザイン:小林 由依)

3月23日、文具大手のキングジムでは、社長以下、役員19人が出席して取締役会が開かれていた。席上、原田伸一取締役常務執行役員がこう提案した。

「弊社はプライム市場への移行を目指している。すでに35%以上という流通株式比率はクリアできているが、さらに向上させるためにも自己株を消却したい」

この時点でキングジムの自己株比率は12%。それを自己株消却によってさらに3.08ポイント引き下げたいと提案したのだ。

東証1部に代わるプライム市場に残る条件

なぜか。東京証券取引所が2022年から市場区分の変更を柱とする市場改革を行う予定にしており、東証1部に代わる存在となる「プライム市場」に残るためには、市場で売買される株式の比率である流通株式比率を35%以上まで引き上げる必要があるのだ。

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キングジムは市場改革を見越し、数年前から議論をスタート。すでに基準はクリアしていたが、「中長期的にプライム市場での上場を維持していくため、さらに流通株式比率を高めていきたい」(宮本彰社長)と考えたわけだ。キングジムでは併せて政策保有株も縮減していく方針だ。

今回の市場改革に伴ってガバナンスの強化も求められることから、キングジムは社内に「プライム市場移行準備委員会」を設置。その下にテーマごとに16の分科会を設置して、社内横断的に議論を行っている。メンバーの力の入れようはものすごく、平日に分科会が開催されない日はないほどだという。

「これまで東証2部、東証1部と昇格するにつれ、入社試験のエントリー数が増え、高学歴の学生が集まるようになった。プライム市場に入る意義は大きい」と宮本社長は語る。

『週刊東洋経済』7月5日発売号は「ガバナンス地獄 東証1部脱落の恐怖 最後の審判」を特集。東証が実施する市場改革の衝撃をお伝えするとともに、プライム市場に残れない可能性が高い企業ランキング、社外取締役争奪戦の現状などをお伝えする。

キングジムがここまで力を入れるのは、優秀な学生を集めるためだけではない。というのも東証は市場区分の見直しと併せて東証1部上場企業によって構成されている東証株価指数(TOPIX)についても見直すことにしているからだ。

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