『ローラーガールズ・ダイアリー』--見えない強さの経済《宿輪純一のシネマ経済学》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小



 本物のローラーゲームのプレーヤーも何人も参加している。パワフルな女性も多く、入れ墨も本物。ほとんどスタントなしのゲームのシーンは、迫力満点である。

本作品は、女優ドリュー・バリモア[下写真、左から2番目]の映画といっても過言ではない。彼女は1975年生まれで、7歳の時に主人公のかわいい妹役で『E.T.』に出演し、ブレイク。 その後、荒れた時期もあったようだが女優として復活し、さらには『チャーリーズ・エンジェル』などでは出演のほか、プロデューサーとしても活躍。本作品は“初の監督作品”であるが、肩に力が入っていない等身大のよい作品になっている。

容姿も年齢も仕事もさまざまなプレーヤーの女性たちが魅力的だ。仕事を持ちながら、独立系リーグにおけるローラーゲームでも生き生きと活動としている。このようなことは米国にはよくある。生き生きとした活動が地域社会や経済を活性化させていく。

そもそも“熱い思い”を持つことは“生きる”うえで、本当に大事なことである。さらに、この熱い思いが人も引き付ける。しかし、このような熱い思いや幸せは、なかなか数値化しにくい。

しかし、最近、幸福度を数値化しようとする動きもある。

インドと中国に挟まれたヒマラヤの小国ブータンは国民の顔が日本人とよく似ており、また今でも平生に着用している民族衣装が和服にそっくりであり、日本人にとってみると親しみのある国である。そのブータンであるが、彼らは「GNH(Gross National Happiness:国民総幸福度)」という経済統計を持っている。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事