「シェアレストラン」は飲食店の救世主となるか バーを間借り「バインミー専門店」として営業
コロナ禍の影響もあり、ここのところ、シェアレストラン、シェアキッチン、ゴーストレストランなど、店舗のスペースをシェアする形態が頭角を現してきている。
今回は、酒飲みの街として知られる桜木町で行われているシェア事例を取り上げつつ、将来に向けた可能性を探ってみたい。
日中は「バインミー専門店」「スパイスカレー専門店」
Sakura Taps(サクラタップス)は2015年開業のクラフトビール専門バー。国内外の期間限定など希少なクラフトビールが味わえる店として、夜な夜なファンが集う店だ。しかし日中は、バインミー専門店(月火土日)、スパイスカレー専門店(木曜日)と、まったく異なる業態の店に早変わり。近隣のオフィスワーカーや住民がランチに訪れる。
クラフトビールのバーとしては開店できない昼間の時間帯、店舗スペースをバインミー、スパイスカレーという2つの飲食店に“間貸し”しているのだ。
サクラタップスは国や自治体によりアルコール制限されている時期はもちろん、営業中止、時短などの対応を行っている。
ただしオーナーの高橋恒治氏は、コロナに関係なく、「以前より間貸しに興味を持っていた」という。
実は間貸しは昔からよく知られた形態だ。
「とくに当店のある“野毛”と呼ばれる一帯や伊勢佐木町、東京なら歌舞伎町、新宿ゴールデン街のように、飲み屋が集まっている街では間借しが慣習的に行われてきました」(高橋氏)
間貸しの相手探しは知り合いを通じた近い関係の中で行われるのが一般的。募集をしても相性のよい相手が見つかるとは限らない。さらに個人同士で契約すると万が一トラブルが起こった際、話がこじれる恐れがある。また、建物のオーナーから“又貸し”と解釈されてしまうこともありうる。
そこで高橋氏が利用したのがその名も「シェアレストラン」。間貸ししたいオーナーと間借りしたいオーナーをマッチングするサービスだ。
現在のバインミー専門店やスパイスカレー専門店に貸し出しを始めたのは2021年5月から。結果には満足しているという。
「同じスペースや設備を共有するわけですから、フィーリングが合う相手でないとダメ。何かあったときにお願いしやすい関係であることが大事なんです」(髙橋氏)
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