溶けにくい「出前クリームソーダ」意外な開発秘話 冷凍庫から出して30分経っても液状化しない

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この「とけにくいアイス」の開発背景をロッテに聞いたところ、開発の出発点となったのが高齢者施設からの要望だそうだ。

「高齢者施設の利用者様の中には、食事に時間がかかったり、介助を要する方もいます。また施設としても、限られた時間で多くの利用者に配膳しなければならないため、時間経過で変化しやすい食べ物は提供しにくい。そのためデザートやおやつと言えば、プリンやゼリーのような溶けない食品が選ばれ、アイスは不向きと考えられてきました。

しかし一方で、デザートとして食べたいものとして、アイスを挙げる入居者様が多かった。そして、提供する側としても、のどに詰まりにくく、栄養価も高いアイスを提供したい、という思いがあったようです。こうした状況を受けて、溶けにくいという特徴を備えたアイスの開発に挑戦することとなりました」(ロッテ、コーポレートコミュニケーション部広報課の吉政伸吾氏)

高齢者施設以外にも業務用チャネルでの市場を開拓するため、まずロッテリアに話を持ちかけたということのようだ。

そしてロッテリア側でも、コロナ禍で拡大してきた新しい販売チャネルであるデリバリーの開拓のため、同社初の取り組みとして注目し、すぐに採用が決まったらしい。

なぜクリームソーダにこだわったのか

ロッテリアが特別にデリバリー対応を考えるほどクリームソーダにこだわったのは、近年のクリームソーダ人気が理由。

ロッテリアの夏の“鉄板”、クリームソーダ。イートインの場合390円(写真:ロッテリア)

「飲食チェーンというものは、気温の変化に応じて提供ドリンクの展開を考えていきます。もっとも高い温度帯の商品がアイスクリームや炭酸飲料なのですが、それらが合わさったクリームソーダは『鉄板』なんです」(小島氏)

クリームソーダには、老若男女を問わず惹きつける、普遍的な魅力があるのだという。昔ながらの喫茶店で提供される飲み物のため、年配の客層には郷愁を呼び起こす。また“昭和レトロ”は今、若い世代で人気が高い。

1つには、鮮やかな色合いやキッチュなデザインが写真映えすることが大きな理由となっている。

また、当時を経験していないはずの年代にも、なんとなく温かさ、懐かしさというものを感じさせるらしい。

メロンソーダの緑色にトッピングしたさくらんぼの赤と、反対色で構成されているため非常に印象的であり、かつ昭和レトロ感を醸し出す。

「また、なぜかこの緑色のメロンソーダはあまり市販されていないようなので、喫茶店などでしか見られないし、食べられないという希少性もあるように感じます」(小島氏)

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