最多は高1「学校での熱中症」はなぜ減らないのか

「部活動」が始まる中学生になると急に増える

「『なんでこんなに暑い時期に練習するんだ』と訴える保護者もいます。でも、それは少数派で、『やれ』という声のほうが勝っているんです」

内田准教授がこのような問題を世間に訴えるたびに、部活動のよさを挙げる人が必ず現れる。

「でも、いくら部活のポジティブな面を強調しても死者は減りません。それはリスクのマネージメントとは関係ない話なんです。そういう人は部活のリスクに何ひとつ向き合っていない」

8月は非常に危険な環境

昨年、熱中症警戒アラートが試行された際、東京や大阪では8月中旬、連日のようにアラートが発表された。日常生活であってもエアコンを使用しなければ非常に危険な環境である。

スポーツ庁や競技団体は単に熱中症の危険性を訴えるだけでなく、夏の大会の中止も含めて、子どもたちの命にもっと真剣に向き合ってほしいという。

「アメリカでは、高校生の練習日数に制限を設けている州があります。それ以上練習をしたら、試合に出られない。子どもたちの安全と健全な成長を守るために競技団体がペナルティーつきの抑制策を持っている」

内田准教授は、「この手引書が子どもたちが熱中症のリスクを引き受けている現状の歯止めになってほしい」と願う。

「だからこそ、文部科学省はこの内容を厳しく教育委員会に伝えて、現場での実効性を高めてほしい。でないと、部活動は何も変わらずに続いていく。それはこれまでの事例で明らかです」

(文=AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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