だからブリヂストンは五輪への協賛を決めた TOPスポンサー契約が映す、グローバル戦略の転換

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6月に開かれた発表セレモニーには、北島康介氏や高橋尚子氏など、元五輪選手も出席した

熱狂のうちにサッカーW杯が幕を下ろしたブラジル。だが、現地は2年後に迫ったリオデジャネイロ五輪に向けて、まだしばらくスポーツビジネスの熱気が続きそうだ。

そのリオ大会から、新たにオリンピックスポンサーに加わる日本企業がある。タイヤ大手のブリヂストンだ。同社は2024年までの10年間、最高位のTOP(The Olympic Partner)スポンサーとしてオリンピックに協賛する。

TOPスポンサーは1業種1社に限られ、全世界で五輪マークを使った宣伝ができる。主な契約対象製品はタイヤで、免震ゴムや自転車などの非タイヤ事業の製品も対象になっている。契約期間中には2020年の東京大会も開催される。

モータースポーツからシフト

ブリヂストンはこれまで、ライバルの仏ミシュランや米グッドイヤーと同様、F1をはじめとしたモータースポーツのスポンサー活動に力を注いできた。しかし、2010年にF1から撤退。今年5月には、2015年にMoto GPからも撤退することを発表した。

なぜブリヂストンは今、このタイミングでモータースポーツからオリンピックにスポンサー活動の軸足を移したのか。同社のマーケティングを統括する石橋秀一専務は、モータースポーツかオリンピックかの二者択一ではないとしたうえで、TOPスポンサーになった理由をこう話す。

「すべての年齢、エリア、性別で認知度、好意度の高いオリンピックが、グローバルプラットフォームとして最高のものであると判断した」

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