しかし、この「他人恐怖症」、全日本人共通のということではないようにも感じます。たとえば、大阪などでは、ぐいぐいと他人に話しかける人も少なくありませんし、地方や下町では、あまり警戒感なく人と話す人も多い印象を受けます。
「コミュ力」つまり「人とつながる力」は、「生来の才能や特質」というよりは、「環境や慣れ」による影響が非常に大きいものです。たとえば、知らない人だらけの環境である都会では、人は自分の身を守ろうと、自然と他人に対する警戒心が強くなります。
また、祖父や祖母、親戚、地域など異なる世代の共生する環境で、人間関係のノウハウを学ぶ機会も減っています。人口の都市集中や核家族化が進む中で、「他人との基本的なコミュニケーションの方法がわからない」と自分の殻にこもり、「やどかり」化する人が増えていくような気がします。
家族や会社など縛りの「強いつながり」ではなくても、「弱いつながり」によって、人の幸福感は上がっていくのだそうです。
「家族や親友、同じ職場の仲間のような『強いネットワーク(強い紐帯)』よりも、知り合い程度の『弱いネットワーク(弱い紐帯)』が価値ある情報伝達には重要である」という社会学の理論なのですが、「ちょっとした声を掛けあえる関係性」が、これからの時代は大切だということです。
「小さなつながり」が「誰かの生きる力」になる
「自分の存在を認め、手を差し伸べようとしてくれる人がいる」――「何気ない会話」や「小さなつながり」の中で、そう確認するだけで、心癒やされたり、励まされたりする人も少なくないはずです。
「何かお手伝いすることはありませんか?」「ありがとうございます」。そんなみなさんの一言が「誰かの生きる力」になることもある。
話し方は「才能」ではなく、実は「簡単に習得できる技術」です。「正しい話し方」を学ぶと、高かった他人との壁がぐんと低くなり、人付き合いがぐんと楽になります。そんな「言葉の力」をみなさんも、ぜひ手に入れてみませんか。
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