中国の生産者物価の上昇が加速している。中国国家統計局が6月9日に発表したデータによれば、2021年5月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比9.0%上昇。2008年10月以来、約12年半ぶりの上昇率を記録した。
財新が金融機関やシンクタンクなど17社に実施した事前調査では、5月のPPI上昇率の予想平均値は8.3%。予想値の最低は7.5%、最高は8.8%だった。つまり、実際の上昇率はアナリスト予想の最高値を上回った格好だ。
PPI急上昇の主因は、原油、鉄鉱石、非鉄金属などのコモディティ相場の大幅な上昇だ。中国の内需は引き続き旺盛であり、(原材料の値上がりの転嫁を通じて)工業製品の価格上昇に歯止めがかからない。
前月比の上げ幅は過去最高を更新
業種別では「石油・天然ガス採掘業」の生産者価格は前年同月比で99.1%の顕著な上昇を記録した。「鉄鋼精錬・圧延加工業」「石油・石炭・その他燃料加工業」「非鉄金属精錬・圧延加工業」「石炭採掘・選別業」「化学原料・化学製品製造業」なども、生産者価格の上昇率が前年同月比20~40%に達している。
なお前月との比較では、5月のPPIの上昇率は1.6%を記録。4月(0.9%)より0.7ポイント拡大し、1カ月間の上げ幅としては統計開始以来の最高値を更新した。
前月比のPPI上昇の背景も、やはりコモディティの値上がりだ。国際原油価格の上昇を受け、5月の石油・天然ガス採掘業の生産者価格は4月より1.7%上昇、上げ幅は同1.3ポイント拡大した。また、鉄鉱石やコークスなどの原材料の高騰で、鉄鋼精錬・圧延加工業の生産者価格は4月より6.4%上昇、上げ幅は同0.8ポイント拡大した。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は6月9日
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