今のうちに行っておきたい新橋「シブいビル」2選 「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」の来歴

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新橋駅烏森口側から見たニュー新橋ビル。眺める方向によって建物の印象が異なるのが特徴(写真:筆者撮影)
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コロナ禍の続くなか、都心を歩くと、2020年東京五輪を見込んで開発された街並みに出会う。真新しいオフィスビル、商業モール、ホテル、マンションなどが建ち並び、以前そこに何が建っていたかも思い出せないほどの変貌ぶり。

そして、今大規模工事の真っ只中という現場も八重洲、常磐橋、渋谷駅前の桜丘地区など各地に見られる。東京の勢いは未だ衰えていないようだ。

都内ではさらなる再開発が予定され、最近発表された大きなプロジェクトには、日比谷の帝国ホテルなどを含む大規模開発、渋谷の東急本店、丸の内の東京海上日動ビルの建て替えなどがある。このほかにも、浜松町駅前の世界貿易センタービル、築地のかつての電通本社であった丹下健三設計の電通テックビルなどの解体も始まっている。

再開発ビルの共通点

これらに共通するのは1960-70年代に建設された築50年前後のビルの建て替えということだ。築年数がかさんでくると、管理維持の手間や耐震補強の費用負担が大きくなり、都心の立地なら、いっそ超高層の新しいビルに建て替えたほうが経済的に効率がよいということになりがちだ。

JR新橋駅ホームからニュー新橋ビルを眺めると、最上階の2フロアはそれより下のオフィスフロアと内部の構成が異なり、かつては住居フロアだったことがうかがえる(写真:筆者撮影)

しかし長年なじんできた都心の街や店、景観が失われていくことには哀惜を感じる。建物は年月によって趣きを増し、長年働いた会社のオフィス、昼休みに利用した定食屋、行きつけの飲み屋などにも愛着を感じるはず。そんな街並みがほんの数年先に失われてしまうということが、これから東京のあちこちで起こることだろう。今せめて、そんな街の歴史の一部であった昭和戦後の建物をしみじみと味わっておきたい。

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