マツダ初EV「MX-30」、なぜ日本では売れない? HV技術がなく、EV戦略での遅れや焦りが要因か
今年1月から発売となったEVは、1月に100台近く売ったが、2月は28台で、3~4月には1桁の水準だ。まさにマツダの読みが当たったといえる。それでも、MHVとEVを合わせた販売動向は、マツダで売れ筋の「マツダ2」や「CX-5」でも月販2000~3000台での推移なので、MX-30がとくに不人気なわけではないと思う。「CX-3」より売れていた月があり、昨年12月にはロードスターと並んでの順位であった。
マツダの販売店数は、ホンダの半分近い1000店舗ほどだ。もしトヨタ並みに5000店舗あったとすれば、3000台以上と試算することもでき、自販連の統計で20位台に入れる可能性がある。こうした試算の実効性はともかくも、車両の魅力云々とは別に店舗が少ないなかでは健闘しているといえそうだ。
EVに関しては、欧州で1万2000台ほどを売っており、「ホンダe」の欧州における年間販売計画(1万台)を超えている。
マツダの挑戦が読み取れる“MX”という車名
マツダMX-30は、車名にMXというアルファベットを持つことから、マツダが新たな価値創造に挑戦した車種であることを示している。ライトウェイトスポーツカーのロードスターも、アメリカではMX-5ミアータという車名だ。
またマツダはかねてより、他社と異なるクルマの価値を摸索する気風もある。オート3輪車から出発したマツダが世界の注目を集めたのは、ロータリーエンジンの「コスモスポーツ」を開発し、販売したことだ。ロータリーエンジンは、「ファミリア」や「ルーチェ」にまで展開した。
ミニバンのはしりといえるMPV(マルチ・パーパス・ヴィークル=多目的車)は、1988年の発売であり、国内にミニバン旋風を起こした1994年のホンダ「オデッセイ」より早い。ユーノス500という4ドアセダンは、バブル経済期の波に乗ったとはいえ、5ナンバー車であるにもかかわらずV型6気筒エンジンを搭載して登場した。
ライトウェイトスポーツとして、1978年に「RX-7」を発売し、ロータリーエンジンの小型高性能を活かしたコスモスポーツに次ぐスポーツカーとして世界を驚かせた。アメリカでは、プアマンズ・ポルシェの評価を得て称賛された。その意味は、貧しい人というより、日産「フェアレディZ」と同様に身近な価格でありながらポルシェのように運転を楽しめるスポーツカーとの誉め言葉だ。
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