大抵の人が知らない「試験に受かる文章」書くコツ 就職試験の小論文やエントリーシートのツボ

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もとゆき:そこまで考えていませんでした……。

今道:まあ、問題を読んでいないはずはないでしょうが、少なくとも「ちゃんと読んでいない」とは言えますね。

「聞かれていること」に的確に答える

もとゆき:この答案はどうしたら良いんですか?

今道:1つは、ハードルの高いことに挑戦した話を別に探すことです。例えば、学業で高い目標を定めて成果を上げたとか、部活動で頑張って大会で優勝したとか、そういう話があれば言うことはないです。

もとゆき:でも、そんな経験、そうそうないですよ。

『文章が苦手でも「受かる小論文」の書き方を教えてください。』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

今道:もちろん、そうでしょう。もうひとつ方法があります。このアルバイトが、自分にとってハードルの高いものとして書けるなら、それでもいいです。

もとゆき:どういうことですか?

今道:例えば、何事も三日坊主で長続きしない人がいたとして、その人が自分を変えるために、最低でも1年は続けよう、と決意してアルバイトをやったとしたらどうでしょう?

もとゆき:それは、ハードルが高いでしょうね。

今道:あるいは、人と接することが苦手な人がいたとして、このままでは駄目だから、思い切ってコンビニエンスストアのアルバイトをやってみようと決意して始めたとしたら……。あるいは、どうせバイトをやるなら、店で一番のスタッフになろうと考えて取り組んだとしたら……。

もとゆき:それぞれに、なかなかハードルが高そうです。そういうことであれば、その人にとって立派な「挑戦」になりますよね。

今道:では、答案をこんなふうに変えたらどうなりますか?

【解答例(修正例A)】
私は何事も三日坊主で続かない人間でしたが、そんな自分を変えようと、最低でも1年は続けると決めてコンビニエンスストアのアルバイトに挑戦しました。初めはつらくて辞めそうになったこともありますが、「ここで逃げたら駄目だ」と言い聞かせ、就職活動が始まるまでの3年間やり通しました。この経験から「自分でもやればできるのだ」という自信を持つことができました。
【解答例(修正例B)】
私は大学時代、コンビニエンスストアでアルバイトを経験しました。入店時、どうせやるなら店で一番のスタッフになろうと考え、そのことに挑戦しました。自分の手が空いたときは率先して他の人の仕事を手伝ったり、お客様の苦情や店内で気になったことはメモして店長に伝えたりなど、つねに自分が何をすべきかを考えて行動しました。最終的には店長から「あなたには一番安心して仕事を任せられる」と言ってもらえました。

もとゆき:あー、これなら「挑戦感」が出ていますよね。

今道:「挑戦」というニュアンスがしっかり出るように書けば、アルバイト体験でもまったくかまわないんです。これだったら評価をつける側も、「なるほど、この人は自分なりにこういうことに挑戦したのだな」と納得してくれます。

今道 琢也 元NHKアナウンサー、「ウェブ小論文塾」代表

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いまみち たくや / Takuya Imamichi

インターネット上で開講する「ウェブ小論文塾」代表。高校時代小論文作成に力を入れ、文章術の基礎を固める。大学入試、就職試験とも敢えて小論文があるところを受験し、突破。京都大学文学部で国語学・国文学を専攻し、卒業後はNHKに採用される。15年間アナウンサーとして勤務した後に独立し、「ウェブ小論文塾」を創業。小論文をはじめエントリーシート、面接カード、履歴書、各種申請書に至るまで、あらゆる文章の書き方を指導し、受講生から圧倒的な支持を得ている。著書に『全試験対応!直前でも一発合格!落とされない小論文』(ダイヤモンド社)、『合格答案はこう書く!公務員試験小論文 頻出テーマ完全攻略 2023年度版』(高橋書店)等

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