テスラの練り上げられた作戦に脱帽してしまう訳

EVの販売台数を数えているだけでは真価を見誤る

こうして整理するとテスラは、太陽光発電でエネルギーを創り、蓄電池でエネルギーを蓄え、EVでクリーンエネルギーを使う企業であることが、明確になります。いわばクリーンエネルギーを「創る、蓄える、使う」の三位一体事業こそが、テスラの実態なのです(図1)。

図1:クリーンエネルギーを「創る×蓄える×使う」の三位一体(筆者作成)

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

「マスタープラン」で予告された大躍進

テスラの事業構造と経営戦略を見てみましょう。

「クリーンエネルギー企業としてのテスラ」の戦略全体を構造化したものが、図2です。

図2:テスラの戦略全体構造(筆者作成、ミッションなどの文言は、イーロン・マスク本人の言葉ではなく、筆者が要約・意訳)

ミッションは「人類を救済する」こと。これはテスラのミッションであると同時に、イーロン・マスク個人のミッションでもあります。その実現のために掲げたビジョンが「クリーンエネルギーのエコシステムを構築する」です。

それではテスラは、「クリーンエネルギーのエコシステムを構築する」ためにどのような戦略を進めてきたのでしょうか。これを示しているのが2006年に発表された「マスタープラン」、そして2016年発表の「マスタープラン・パート2」です。結論からいえば、テスラは最初の「マスタープラン」を見事に実現してみせ、「パート2」も着々と実現しつつあります。

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