東大は「ジェンダー改革」で何を変えたいのか

女性が新体制の過半数になった最高学府の覚悟

新たに東京大学の理事・副学長に就任した林香里氏。ダイバーシティのほかに国際関係も担当、精力的に内外を走り回っている(撮影:尾形文繁)
今年4月1日に新体制が発足した東京大学が注目を集めている。藤井輝夫・新総長をトップに、総長、理事・副学長、理事も含めた9人のうち5人が女性と、初めて過半数に達したからだ。これは国立の総合大学でも初とみられる。
東大の学部学生における女性比率は19.5%(2020年5月1日現在)と、ここ数年変わっていない。ただ、2021年度の入試合格者に占める女性比率は21.1%と、過去最高になった。東大は五神真・前総長時代の2017年度、地方出身の女性学生に月3万円の家賃支援制度を導入するなど、女性学生を巡る環境を後押しする政策を進める。
6月7日発売の『週刊東洋経済』では「会社とジェンダー」を特集。日本企業や産業界に根深い男女間のジェンダー(社会的性差)格差は、学校教育からも変えていく必要があるとみる。新たに東大でダイバーシティ(多様性)や国際担当となった林香里理事・副学長に、大学におけるジェンダー政策について聞いた。

学生の女性比率は3割、本来は5割がいい

━━4月に就任して数カ月たちました。まず理事・副学長に決まったときのご自身の受け止め方と、周囲の反響はいかがでしたか。

『週刊東洋経済』6月7日発売号の特集は「会社とジェンダー」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

周りはわからないが、自分はびっくり。東大では研究科長(学部長)になって、その中から理事や副学長になるのが通常。私はそういう典型的なキャリアパスを経ての就任ではない。決断したのは藤井総長だが、期待の高さがわかった。総長の信頼を無駄にしないようにしたいし、抜擢なら、なおさらがんばらないといけない。

私を任命したのは、女性を含め「ダイバーシティが大学に必要なんだ」というメッセージであり、真摯に受け止めている。自分なりに国際教育関連では現場での知識・経験がある。今までとは違うリーダーとして、同僚のみなさんと相談しながらやっていこうと思う。周囲からは「がんばれ」「いってこい」などたくさんのメールをいただいて励まされた。

━━学部学生の女性比率は現在約2割。これを何年までに何割にしたい、という目標はありますか。

次ページ女性学生に「月3万円の家賃支援」の意味
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT