妻の姓を選んだ青野社長が説く「選択的夫婦別姓」 「だから現行の夫婦同姓の強制はおかしい」
別姓なら精神的・経済的負荷がない
──これまで選択的夫婦別姓制度の導入に向けて、さまざまな活動をしてきました。
私が日本人同士の結婚で夫婦が同姓か別姓かを選べない今の戸籍法に対する訴訟を起こしたのは2018年だった。当時メディアは大きく取り上げたが、耳を傾ける政治家はほとんどいなかった。だが、2019年の参議院選挙のとき、自民党以外の政党は選択的夫婦別姓に賛成していることが明らかになった。その後、自民党の中でも、どのような方々が反対しているのかもわかってきた。今は、導入に向けた議論が高まる中、私の中では「勝った」という気持ちでゴールが見えてきている状況だ。
──具体的には現在制度の問題点はどこにあると考えますか。
現行制度は“強制的”夫婦同姓といえる。私が望む選択的というのは、改姓したほうが幸せならば変えてください、というものだ。結婚して名字を変えたい人はぜひ変えてください、変えたくない人は元の姓でいい。選択的であるということに大きな意義がある。
強制的に改姓を強いられることには、精神的・経済的に2つの負荷があると私は考えている。まず、精神的な負荷は、生まれた頃から使ってきた愛着ある姓を、結婚を機に変更するという心理的負担だ。経済的な負荷は、戸籍からパスポート、銀行口座まで、姓の変更手続きに伴う無駄な作業の発生である。
私の戸籍名は青野でなく西端で、2001年の結婚時に妻の姓を選択した。結果として、通称である「青野」と、法的に有効な「西端」という本名を使い分けている。これにより姓を二重に管理する手間がかかっている。
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