動き始めた海外留学「元どおり」への想定シナリオ カナダへの派遣留学再開に踏み切った高校も

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現地ではどのような様子なのか、この4月から渡航している学生数人に聞きました。

現地の様子

サンディエゴ校 H・Sさん 今年大学卒業・女性
「もともとキャビンアテンダントの面接を受けていたのですが、コロナで中止になってしまったので、この期間にスキルアップしたいと思い、留学を決意しました。サンディエゴ到着後は、5日間の隔離の後、対面2コマ、オンライン1コマの割合で授業を受けています。日本人も結構多いです」

サンディエゴの対面クラス(写真:イー・エフ・エデュケーション・ファースト)

マルタ校 C・Hさん 大学2年生・女性
「日本にいた頃は、大学に登校したのは1回だけ、ずっとオンライン授業で友達もできませんでした。ここマルタに来てようやく対面授業も始まり、今はヨーロッパや南米の留学生の友人もできて安心しています」

バンクーバー校 S・Hさん 昨年大学卒業・男性
「大学院も合格したのですが、将来のことを考えて1年間の留学に挑戦することにしました。2週間の隔離期間はホテルでオンライン授業を受けて過ごし、今は対面6:オンライン4くらいの割合のハイブリッド型で英語を学んでいます」

安全面

サンディエゴ校 H・Sさん 今年大学卒業・女性
「ワクチン摂取が進んでいるせいか、街中ではマスクをしていない人も多く、日本は徹底していると感じます。クラスメイトと自分の国の状況について話した際、スイスや南米の友達は自分の国は本当に(感染状況が)ひどかったと言っていました」

マルタ校 C・Hさん 大学2年生・女性
「外出時のマスク着用は義務となっていてみんな守っています。4人以上の集会は禁止となっていて、日本よりも規制は厳しい印象です」

バンクーバー校 S・Hさん 昨年大学卒業・男性
「登校の際はKN95という医療用マスクを着けているので安心感があります。外食の際はテイクアウトが主流で、街中ではマスクを着けていない人も見かけたりするので、日本より規制が緩い印象です」

アメリカやカナダではワクチン摂取も進んでいるため、個人留学の増加もさらに拍車がかかりそうです。

アメリカの秋学期の出願状況は?

今年の秋学期の出願状況について、海外大学への出願支援を行う海外留学推進協会の上奥由和代表理事に話を聞きました。

2021年秋学期に同協会経由で、アメリカの大学に入学予定で出願手配を進めているのは82人(5月6日取材時点、昨年は42人)ということです。昨年までの動きとの違いについて上奥氏は言います。

「2020年は海外の教育機関も留学希望者も、コロナの影響が見えず不確定要素が多かったため、留学延期や辞退をする方が多く見られた。2021年は、アメリカでワクチン接種が進んでいること、大学も早めに留学生の受け入れに関する情報を提供していること、現地の留学生から正確な情報を得られていることなどが功を奏し、多くの方が前向きに検討を進めています」

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