難しい仕事を後回しにする人ほど損している理由 大きな成果を得るために初めはマイナスの場合も

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また、「朝の日課(ルーティン)」を持つ経営者は多く、毎朝決まったルーティンをすることは、安定した脳の処理効率を保つのに一役買っているようです。

非常に簡単に取り組めることをルーティンに挙げる起業家もたくさんいます。たとえば、「ベッドを整える」。なんでもいいので簡単に実行できるシンプルな作業で手を動かすことで、その後に控えている仕事へのやる気を高められるというのです。

実際、この朝のベッドメイクを「最初のタスク」に決めている成功者は多く、アメリカのウィリアム・マクレイブン海軍大将は「毎朝ベッドを整えると、その日の最初の仕事が完了する。そのことがささやかな自尊心となり、次の仕事をこなそうという気持ちにさせてくれる」と述べています。

人間の性質を利用する

「難しいことから手をつける」というのは、口で言うほど簡単ではありません。なぜなら、人間には「困難なことは避けて、楽なものに手を出そう」とする神経学的な傾向があるからです。困難な状況を回避し、代わりに楽しい状況を探す人間の傾向は、「ラボリの法則」と呼ばれています。

先ほどのベッドメイキングは、この傾向を利用して脳にまず満足感を与え、1日のスタートをうまく切る試みです。同様に、困難なタスクも、まずは簡単に取り組めるいくつかのステップに分解し、最初のステップに即座に取り組むことで、脳は軽い達成感を覚えます。そうして、モチベーションを維持したまま難しいタスクを完遂へと近づけることができるのです。

『超速』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

このように、Difficult Firstの意識で日々のタスクに改善を加えていけば、経済学者が「ラチェット効果」と呼ぶものから利益を得ることもできます。

ラチェット効果とは、所得は減少しても消費はその後も減らず、それまでの消費水準を維持しようとする人間の行動を指す言葉で、難しいことから取り組む「小さな改善」が生産性向上につながって多くの時間と成果を生むために、以前の仕事のスタイルに戻ることが考えられなくなるのです。

難しいこと・時間がかかることから始めていけば生産性が向上し、やがてその働き方がノーマルになる――Difficult Firstで取り組むことが、やがてたくさんの時間を生むことになるのです。

ウィル・ デクレール 衣料品ブランド「Loom」共同創設者

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Will Declair

衣料品ブランド「Loom」の共同創設者であり、人々と環境を尊重するテキスタイル業界を提唱している。以前、男性ゼネラリストのメディアアウトレットである「Merci Alfred」を共同設立した。この2つの職業について、彼が好むのは、少しあいまいな主題を選択して(非常に)長い記事を作成すること。

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