ロイホが狙う、"さわやかスイーツ"市場創出 米国発のフローズンヨーグルトをお台場に出店

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グループ内の若い女性社員を活用する

「われわれは多種多様な業態を展開する中で、スイーツという部分に弱みを持っていた。今回のピンクベリーの展開で、そこを補完していくことができる」。ロイヤルHDの菊地唯夫社長は、フランチャイズ契約に踏み切った狙いをこう語る。

同社の足元の業績は順調だ。ロイヤルホストの2014年1~6月の既存店売上高は前年同期比2.3%増、天丼てんやは同9.3%増という高い水準を記録した。

その一方で、これまで外食事業においてスイーツは手薄な分野だった。ピンクベリーの展開でこうした弱点を補うと同時に、若い女性が働ける職場としてロイヤルHDの人材を積極的に活用していく。

ブームでなく、市場を創る

ピンクベリーとの接点は昨年6月。社長室にピンクベリーのコンサルタント会社から一度商談をしたいという手紙が来たのが始まりだった。交渉の担当をした野々村彰人取締役は2008年に米国に行った際、ピンクベリーのフローズンヨーグルトを食べた経験があった。「なめらかで口溶けがよく、何より酸味が口の中でさわやかに残るのが印象的だった」。

野々村取締役はすぐにコンサルタント会社に電話し、打ち合わせを始めた。品質やサービスの価値観などを共有できると判断。2014年2月、菊地社長とともに渡米し、契約を結んだ。

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米国ニューヨークの店舗

「米国のフローズンヨーグルト市場は800億円以上。一方、日本には5~6社の海外発のブランドがあるが、市場規模は20億円程度にすぎない。日本では未知で未開拓のマーケットと認識している」(野々村取締役)

菊地社長は「一過性のブームではなく、フローズンヨーグルトの市場を日本に創っていきたい」と強調する。店舗網を急拡大すれば、出だしの勢いはあっても、早期に飽きられてしまう可能性もある。出店エリアを厳選し、1店ごとの収益力を高めながら堅実な店舗運営をすることで、市場を形成していく構えだ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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