強制着陸で逮捕されたベラルーシ活動家の「命運」 ロシア人交際相手と休暇を楽しんだ後捕まった
それを裏付けるように、旅客機がミンスクに強制着陸させられた23日、ベラルーシ治安当局はプロタセビッチだけでなく、リトアニアの首都ヴィリニュスにある欧州人文大学に通う23歳の法学部生サペガも逮捕した。彼女自身が標的ではなく、プロタセビッチとかかわったことが理由で身柄を拘束されたとみられる。サペガの弁護士は26日、収監は少なくとも2カ月は続き、刑事法廷で裁かれることになるだろうと話した。
サペガは拘束後、姿を見せていなかったが、25日には自らをサペガだと名乗る若い女性の動画がロシアの国営テレビ局NTVによってツイッターに投稿されている。
女性はプロタセビッチと同じリトアニア行きの飛行機に乗っていたと話し、リトアニアではテレグラム上のチャンネル「ブラック・ブック・オブ・ベラルーシ」の編集者をしていると述べた。
「私たちは正義が勝つと信じている」
警察による暴力の暴露に力を入れ、ベラルーシ当局から「過激派」組織として禁止処分を受けているチャンネルだ。女性は内務省職員の個人情報を公開するというベラルーシ国内では犯罪となる行為を行ったと自白したが、脅されているのは明らかだった。
プツィラによると、ネクスタに対する脅迫状や脅迫電話があまりにも多いため、ポーランド警察がネクスタの事務所に通じる階段に常駐して警備するようになったという。
ネクスタの別のメンバー、エカテリーナ・イェルサリムスカヤは、ポーランドでプロタセビッチと2人して不審な男に尾行されているのに気づいて警察に通報したことがあるとベラルーシの独立系ニュースサイト「Tut.by」に語っている。それでも、プロタセビッチは平然としていたそうだ。
「誰も自分たちには手出しできない、そんなことをすれば国際的なスキャンダルになるだろうと言って彼は自分を落ちつかせていた」とイェルサリムスカヤは言う。
プロタセビッチの母はミンスクで逮捕された息子の身を案じていると涙を流ながらも、こう言った。「私たちは正義が勝つと信じている。この恐怖政治が終わり、政治犯が解放されると信じている。息子をとても誇りに思っている」 =敬称略=
(執筆:Andrew Higgins記者、Andrew E. Kramer記者)
(C)The New York Times Company
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