ついにVISAが「Apple Pay」に対応、何ができるか 「iPhone内のクレジットカード」を見直す機会

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発行会社は限定されるが、5月に、Visaもこの仕組みに対応した。iDやQUICPayとは別に、Visaのタッチ決済が利用できるようになったというわけだ。Visaは、日本でNFCのタッチ決済を推進しており、コンビニエンスストアやドラッグストア、デパートなどの一部店舗がこれに対応。こうした店舗は往々にしてiDやQUICPayに対応しているため、あえて選択する必要はないかもしれないが、タッチ決済はNFCのみというところも一部にある。決済できるシーンが広がるという意味で、ユーザーのメリットも大きい。

すでにVisaカードをApple Payに登録している場合、自動更新でNFCのタッチ決済にも対応する。「ウォレット」アプリを開き、該当するVisaのクレジットカードの券面に、「Visa」のロゴが入っているかどうかを確認してみるといいだろう。まだの場合は、いったんウォレットからカードを削除し、再登録するとVisaのロゴがつく。三井住友カードでは、6月30日まで、Apple Payでタッチ決済を使うと、最大1000円分のポイントがもらえるキャンペーンを実施中。

オンライン決済でも使えるApple Pay

Apple Payというと、店頭での非接触決済のことをイメージしがちだが、正確には、それだけがすべてではない。店頭での非接触決済とサイトやアプリでのオンライン決済をウォレット内のカードで行うサービスの総称が、Apple Payだ。そのため、FeliCaやNFCを内蔵しないiPadでも、Apple Payはオンライン決済限定で利用できる。

すべてのオンライン決済に利用できるわけではないが、大きいところでは、楽天市場がApple Payのオンライン決済に対応済み。イーコマースのプラットフォームであるShopifyも、ショップ側が有効にする必要はあるが、Apple Payをサポートしている。Apple Payの場合、生のクレジットカード番号をショップ側に伝えることがないため、万が一情報流出などがあった際にも安心。対応するショップで買い物する際には、積極的に活用したい。

Apple Payは、オンライン決済も便利。Visaが対応したことで、SuicaやPASMOへのチャージに利用できるようになった(筆者撮影)

サイト上での決済以上に、対応しているケースが多いのがアプリだ。メジャーなところでは、Suicaへのチャージにも、Apple Payのオンライン決済が活用されている。いったんクレジットカードからSuicaにチャージすることで、非接触決済がSuicaのみの店舗でも、間接的にクレジットカードを利用できる。また、出前館やUber Eatsなどのデリバリーサービスアプリも、Apple Payに対応しているケースが多い。

ただし、iDやQUICPayは、あくまで店舗での決済に利用するためのブランド。オンライン決済には、Visaやマスターカードといった、クレジットカードのブランドがついたカードが必要になる。ところが、前述のとおり、VisaそのもののブランドはこれまでApple Payに対応していなかったため、Visaのカードを登録しても、iDやQUICPayを通じた店舗での決済にしか利用できなかった。5月にVisa自体がApple Payに対応したことで、この状況が改善された。

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