社長追放でも残る セイコー名誉会長の影


 セイコーHDでは、07年以降、4人の取締役が任期途中で辞表を出した。昨年末に辞任した村上斉氏(新経営陣として復帰)は、同年9月に2子会社の取締役も途中で辞めており、「役員会には夏ごろから顔を出していなかった」(関係者)。

子会社・セイコークロックでは3年間で延べ4人の社長が交代した。重任から5カ月で、取締役5人が一斉に辞任した例もある。07年に和光で入れ替わった6人の総務部長は、その後全員が辞職し、現在はグループ内にもいない。

「鵜浦氏が自らの意に沿わない人物を禮次郎氏に進言し、禮次郎氏が村野氏に人事発令を命じていた」。幹部らはそう口をそろえる。ただ役員人事の異動に関して確たる証拠はない。今回明らかになったのは、部長クラス以下の一般従業員に行われたと思われる、パワハラの実態だ。

3月、労組から提訴請求を受けた会社は社内に第三者委員会を設置し、調査を行っていた。真二氏を村野社長解任の決断へ導いたのは、その報告書だった。

150枚に上る委員会の報告書によれば、「パワハラによりうつ病を発症もしくはうつ状態に陥った」とする従業員は50人を超していたという。内容の一部は以下のとおりだ。

「怒鳴られて震えがとまらなくなった」「気に入らないことがあると仕事をとり、仕事がないからと自宅待機を申し渡される」「突然呼び出され流通センターに送られる。仕事は用意されず、机がぽつんと置いてあるだけ」--。

これら過去の出来事について、解任された村野氏は「突然のことで話せる心境ではない」と返す。鵜浦氏もまた「村野社長(当時)を信じてやってきた。社長の意志が変わるまではお話しできない」と言うのみだ。

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