堀江貴文さんが「食べる順番」を結構気にする理由 ストレスや睡眠不足も糖尿病の原因になる

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「糖質5分あとまわしダイエット」にも注意点がある。ご飯の前に食べるおかずに飽和脂肪酸が多く含まれる場合、GIPが多くなる。GIPは、飽和脂肪酸を多く含む食事を習慣的に摂取している人では体脂肪を増やし、糖尿病を悪化させる可能性があるのだ。矢部教授は次のように言う。

「ですから、おかずは肉よりも魚を多めにしてほしい。野菜をしっかり摂るとともに、魚をご飯より先に食べることが大切です。野菜と魚を組み合わせれば、より大きな効果が期待できます」

なるほど。意識して野菜や魚を摂るように心がけよう。

命を守るためにーー

昨今、糖尿病患者さんに厳しい目が向けられている。いわく――当人が悪い生活習慣を続けたから糖尿病になったのであって、自業自得だ。その治療が保険診療で行われるのは、医療費の無駄遣いではないのか――。

実際、年間約1万6000人が糖尿病性腎症から人工透析に至るが、人工透析になると、その費用は国によってほぼカバーされ、1人当たり500万~600万円くらいかかるという。矢部教授に意見を求めた。

「国民の税金を食い潰しているとの見方があることは承知しています。いっぽうで、糖尿病患者さんを見ていると、仕事に追われて健康診断が受けられなかったり、糖尿病治療に割く時間やお金が捻出できなかったりするケースも少なくありません」

『糖尿病が怖いので、最新情報を取材してみた』(祥伝社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

糖尿病の悪化は、仕事でのストレスや睡眠不足などを原因にしていることも多い。また、多忙であるがゆえの食生活の歪みもある。

「家族歴(血縁者に糖尿病患者さんがいる)がある場合、糖尿病のリスクは高くなります。つまり、同じような食生活をしていても、Aさんは糖尿病になり、Bさんはならないということが起こる。ですから、一律に『自己管理ができていないから糖尿病になるのだ』と責めるのは、酷ではないでしょうか。そもそも日本人の場合、インスリン分泌能が低くて糖尿病になりやすい。だからこそ、予防が重要なのです」

確かに、「自己責任」と突き放すにはあまりに厳しく悲惨な現実も、6カ月間の取材でわかった。僕のまわりにも猛烈に働き、食事・運動・睡眠をあとまわしにしている人がいる。しかし、だからこそ、本書で紹介するような簡単に実践できる予防法が有効だと思う。知人のなかには、食事時間と睡眠時間に気をつけただけで、数値が大幅に改善した者もいる。

本書で糖尿病についての正しい知識を得て、正しい予防法を実践する。これが第一歩だと思う。自分の命は自分で守るしかないのだから。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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