アクセンチュアvs電通、異業種バトルが白熱の訳 薄れる広告とコンサルの境界線、勝負の行方は
「圧倒的にアート系の人材が足りない。ここ数年は東京の3大美術大学に自分で足を運んで採用活動をしている」
アメリカのコンサルティング大手アクセンチュアの江川昌史・日本法人社長は、美大出身者の採用に精を出している。
デジタルサービスやシステムの開発を行うITコンサルが主力の同社が、美大生に目をつけるのはなぜか。
「クリエイティブな仕事が増えた」
アクセンチュアは近年、事業領域を大きく広げている。現在は大きく4つの部門に分かれており、戦略コンサルの「ストラテジー&コンサルティング」、ITコンサルの「テクノロジー」、間接業務のアウトソーシングを手掛ける「オペレーションズ」、そしてデジタルマーケティングやデザインなどを行う「インタラクティブ」がある。
日本法人の人員規模も、過去6年で3倍となる1万6000人に膨らんだ。豊富なリソースを生かし、コンサルにおいて「上流」と呼ばれる戦略策定から、システム開発などの「下流」まで一気通貫でビジネス変革を引き受けられることを強くアピールしている。
特に近年事業拡大に注力するのが、インタラクティブ部門だ。2014年に発足し、昨年は主要な4本部に“昇格”した。特に消費者向けビジネスを展開する顧客企業には、EC(ネット通販)サイトやアプリを開発したい、新たなブランドを立ち上げたいといった需要が高い。「動画制作やデザインなどのクリエイティブな仕事が増えており、ここに美大出身者のような人材が必要になっている」(江川社長)。
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