アクセンチュアvs電通、異業種バトルが白熱の訳 薄れる広告とコンサルの境界線、勝負の行方は
「広告代理店とも事業領域が重なってきている」と江川社長が話すとおり、日本ではまだイメージが薄いが、アメリカ広告業界専門誌「アドエイジ」によれば、アクセンチュア インタラクティブは世界のデジタルエージェンシー(代理店)の売上高で、日本の電通グループなど他の広告代理店を抑え、6年連続トップに立っている。
実績ある広告企業を買収
2019年には、アクセンチュアがアメリカのクリエイティブエージェンシー「Droga5(ドロガファイブ)」を買収し、広告業界を驚かせた。
ドロガファイブはアマゾンやフェイスブック、コカ・コーラなどアメリカの巨大企業を顧客に抱え、テレビCMやネットの動画広告の制作のほか、大規模なマーケティングキャンペーンの戦略なども手掛けてきた。「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」などさまざまな広告賞の受賞歴でも知られる。
そして5月19日には、このドロガファイブが東京に日本拠点を設立することを発表した。ニューヨーク、ロンドンに続き、アジアでは初の拠点だ。チーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるのは、博報堂グループ出身の浅井雅也氏。
浅井氏は「広告やマーケティングだけでなく、事業やサービスのデザイン、新しい体験の創造など、ビジネスの上流から下流まであらゆる部分でクリエイティブを掛け合わせ、(クライアントの)ブランド価値を上げていく」と意気込む。
ある広告業界関係者は、「ドロガファイブは動画やソーシャルメディアを活用したネット上のキャンペーンに長けている」と評価する。
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