なぜか「活気のない職場」に共通する空気の正体 同じ仕事でも「飽きる人」と「楽しめる人」の差
変化の第一歩は「態度を選ぶ」こと
メアリー・ジェーン:シアトルの大手金融機関の事業部門で働く主人公。他部署の社員からごみ溜めと呼ばれる「3階」の改善を託され、部長に任命される。夫を病気で亡くし、2人の子どもをひとりで育てている。
火曜日の昼休み、メアリー・ジェーンは足早にファースト・ストリートを歩いて市場へいった。ロニーは彼女がくるのを待っていたらしく、すぐに人ごみのなかからあらわれ、彼女といっしょにTシャツ売り場をとおりすぎて、傾斜路をくだっていった。
「ホールのはしにテーブルがあるんだ」。ロニーはそう言って、四方がガラスばりになった小さな部屋へ彼女を導いた。そこからは港とピュージェット湾のすばらしいながめが楽しめる。ロニーはベーグルとメアリー・ジェーンがもってきたヨーグルトを食べ、そのあいだにメアリー・ジェーンはヨーグルトを食べながら魚市場のことをいろいろ聞いた。市場での1日についてロニーが話すのを聞いたかぎりでは、魚を売る仕事がそう楽しいとは思えなかった。それを考えると、パイク・プレイス魚市場で働く人たちがあんなに楽しそうにしていることが、いっそうすばらしいことに思えた。
「あなたの仕事とわたしの仕事には、思ったより共通点が多いみたい」ロニーが毎日の単調な仕事について話したあと、メアリー・ジェーンは言った。
ロニーは顔をあげた。「本当?」
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