瀬戸際のみずほフィナンシャルグループが増資、背負った荷物と外したくびき

瀬戸際のみずほフィナンシャルグループが増資、背負った荷物と外したくびき

どん詰まりのみずほフィナンシャルグループが、ようやく決断した。8000億円の巨額増資と3会長の退陣だ。みずほにとって増資は新たな荷物を背負うことだが、3会長の退陣は、大いなるくびきからの解放といえる。

銀行が国際金融市場で活動するための最低限のパスポートとでも言うべきバーゼル自己資本規制が、早ければ2012年末から格段に厳しくなる。すでに欧米大手の金融機関は増資競争を繰り広げてきた。日本のメガバンクグループや野村ホールディングスなども例外ではなかった。みずほも昨年、6月に5200億円強を調達したが、その後が続かなかった。

配当負担に二の足を踏んだからだ。みずほは03年発行の優先株1兆円の希薄化という重荷をすでに背負っている。株数は現在154億株で、年間の配当負担は優先株を含み1300億円に上る。

50億株を新たに発行して8円配当を継続すれば、追加の配当負担は400億円に達する。純利益の水準が10年3月期のような2000億円台にとどまれば、内部留保の蓄積ができずに本末転倒である。

そこで、みずほは今11年3月期の配当を6円に減配することを決めた。今期の配当負担は横ばいとなる。しかし、昨年も調達にからんで09年3月期の10円配当から8円配当に下げているので、連続の減配である。とりわけ、昨年増資に応じた株主にとっては裏切り行為と見られてもしかたない。

ギリギリの皮算用

増資報道後、ギリシャの財政危機で株式相場が不安定な中、みずほの株価は希薄化リスクを嫌気して160円前後と純資産価格(1株175円)を下回る水準にまで下げている。

正式な増資を発表した5月14日には165円で引けた。こうした株価でもあえて増資に踏み切るのは、12月末に新規制の詳細が決まるためだ。規制に対応できなければ、国際的な銀行業務が難しくなり、“メガバンク”の看板を降ろさざるを得なくなる。国際競争からの事実上脱落を避けるためにも、今しかなかった。

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