星野源、新垣結衣の結婚に一切批判が出ない理由 なぜ「ロス」「ショック」の声すら少ないのか

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もちろん2人が出会ったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の影響も多分にあるでしょう。劇中では、契約結婚した2人が、一緒に暮らすことで少しずつ互いを知って距離を縮め、心を通わせていき、本当の夫婦になっていく様子を多くの視聴者が見ていました。

実際の2人に「ハグの日」「温泉一泊旅行」「不意のキス」などがあったかはわかりませんが、ドラマと同じように少しずつ互いを知って距離を縮め、心を通わせていった様子が想像できるから祝福したくなって当然なのです。

ドラマでは2人の間に子どもが生まれる様子も描かれただけに、今後もし現実が重なることがあれば、「逃げ恥ベイビー誕生」などと今回同様の祝福モード一色に包まれるでしょう。

「ロス」「ショック」に陥る人の心理

最後にコンサルタントの立場から、これだけ祝福しやすいケースであるにもかかわらず、「ロス」「ショック」と声を挙げる人の心理を挙げておきましょう。

ネット上の声を見ていくと、星野源さんと新垣結衣さんの熱心なファンほど、「ロス」「ショック」などの声を挙げず、祝福している様子が見られました。これは決して強がりではなく、偽らざる本音でしょう。つまり、「ロス」「ショック」の声を挙げているのは、熱心なファンではなく、2人の「見た目」、あるいは「才能」などの一部分への執着心を持つタイプの人なのです。

だからこそ今、「ロス」「ショック」の声を挙げている人は、2人の代替となる見た目や才能を持つ人を見つけて執着しはじめるでしょう。本当の「ロス」「ショック」が続くのは、その大半が、家族、親友、ペットなどの物理的な距離感が近い存在に対してであり、芸能人に対して続くケースは極めて少ないものです。

ともあれ、コロナ禍に加えて、名優・田村正和さんの訃報で日本中が沈み込んでいた中で舞い込んできた2人の結婚は、人々を笑顔にさせてくれました。そのポジティブな影響力こそが、今後も2人の芸能活動が安泰であることを物語っています。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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